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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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リック・ウェイクマン「アフター・ザ・ボール~ザ・コレクション」


15年発表。久々にウェイクマンのコンピレーション・ベスト盤・・なんだが実際はA&M社在籍時の音源を集めた既発『リコレクション』の再発盤。まぁ一番人気があった?時期のベスト盤なんで悪くないが、去年日本盤が廉価版CDシリーズで再発しているので、余り旨味は無いかも知れない。オリジナル盤『ヘンリー8世~』から3曲、『地底探検』から2曲、『アーサー王~』から2曲、『神秘への旅路』から1曲、『ホワイト・ロック』から2曲、『罪なる舞踏』から3曲、『ラプソディーズ』から1曲と初期の代表曲は全て網羅、サントラ『リストマニア』からは1曲もなし。旧盤はウェイクマンのA&M社在籍時の作品が殆どCD化されていない時点での発売なので、意外と重宝したものだが・・・今年(15年)は『ヘンリー8世』以降の全作品が全てデラックス・エディションで発売の予定があるらしく、ウェイクマン、年齢的にもキャリアの総括に入っている様な気がします。
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フリッツィ・2・フルチ「ライブ・アット・ユニオン・チャペル」


13年作。イタリアの映画音楽作曲家、ファビオ・フリッツィ(Key,p)が80年代に担当したルチオ・フルチ監督他のホラー映画のサントラを、ロック・アレンジで演奏する為に結成されたバンドがこのフリッツィ・2・フルチ、そのロンドン公演の模様を収録。フリッツィの楽曲はモルト・マカブレ等プログ界隈でもリスペクトが多かったが、サントラ工房的な活動をしていた為ゴブリンの様にライブで聴く事は叶わず、今回は長年の要請を受けての奇跡的な活動となる。『サンゲリア』『ビヨンド』『地獄の門』『マンハッタン・ベイビー』等の名曲群をメドレー形式で演奏、とりわけ『サンゲリア』のオープニング、例の「♬ドッ、ドッ、ドッ、ドッ・・♬」が始まった時に沸き起こる凄まじい歓声は、始めてフリッツィをライブで聴けた観客の初感動が伝わってくる。来日希望?

ウエットン/ジョージ/パーマー/エイリー「マーキー1986/セカンド・ナイト」


86年作。ブートレグです。英マーキー・クラブでの障害児の為のエイド・ライブに呼ばれたジョン・ウエットン(Vo,b)、早速「エイジア」で出演しようとするものの、マンディ・メイヤーは既に退団、ダウンズはGTRにて多忙、って事でメイヤーと同じくハウの後任候補だったロビン・ジョージ(g)、現ディープ・パープルの何でも受けちゃう必殺仕事人、ドン・エイリー(Key)を呼び寄せ、オマケに当時ソロを一緒に製作中のフィル・マンザネラ(g)もゲストで参加、ここにこの後でも例のない「ツイン・ギター・エイジア」が誕生する。(厳密にはペイン時代にもハウとヴィニー・バーンズで1回)名目は「ジョン・ウエットン・アンド・フレンズ」だが、当然セットリストの80%はエイジア。『ウエットン/マンザネラ』からも1曲演奏しており、これが唯一のライブ・テイクか。とまぁ意外性尽くめのライブではあるのだが、ウエットン先生、現在ほど体調管理をきちんとしてない時代でこの2日目は声がボロボロ。『ドント・クライ』の歌詞すら忘れる体たらくなんでありました。次は是非スコット・ゴーハム(g)入りの時期のライブも発掘をお願いしまふ。

ヤン・アッカーマン「寛ぎの時」


77年作。元フォーカスのヤン・アッカーマン(g)の4thソロ・アルバム、廉価版で再発。カズ・ラックス(Vo)との双頭アルバム、『エリ』も同時発売。フォーカスはオランダ出身のバンドとしてはショッキング・ブルー以来?の海外での成功を収めるが、過酷なツアー等にメンバーは疲弊し、芸術家肌のアッカーマンがまず脱退する。その後在籍時より手掛けていたソロ・アルバムに専念しようとするが、ビッグ・ネームのバンドの後ろ盾の無いミュージシャンに対しレーベルは態度を変え、オーケストラの使用を許可しない等、予算の問題に悩まされる事になった。その後アッカーマンはフォーカスに再び出たり入ったりしているが、この「お金の問題」が、未だに付いて回っている気がします。これはその枠組の中でギャラの安い昔の友人とかに参加を頼みながら、アッカーマンがベストを尽くしたアルバム。超絶技巧曲の並ぶアコースティック・ギター・ジャズ、と云う感じだが、もう一つフックが無くて地味な辺りがやはり本人の限界か?

ザ・コーギス「バイ・アポイントメント」


14年発表。活動再開に併せ、コーギスの最新ベスト盤が登場。「田舎のビートルズ」スタックリッジ解散後に主要メンバー二人が80年代に結成したテクノ・ポップ・バンドがコーギス。3枚のアルバムを残して「散・開」するが、スタックリッジ譲りの何処か懐かしい優しいメロディ、オールディーズの名曲を思わせるレトロな歌詞等で、ニッチ・ポップのフィールドで未だにファンも多い。トレヴァー・ホーンのプロデュース曲『ドント・ルック・バック』、またクリムゾン系列のジェリー・マロッタ(ds)が在籍する等、プログ関係ともあながち無縁でもない。コーギスは92年に再起動、フル・アルバム1枚、アコースティック・ライブ1枚、新録を含むアンソロジー1枚を発売、またしばしば新曲をシングルで発表して現在に至る。今回はその6枚+aからの選曲盤で、過去のベスト盤に比べちょっとごちゃごちゃ。来日したりしないのかなぁ。

ヒュー・ホッパー「Vol.5 ハート・トゥ・ハート」


14年発表。どうやら順調に進んでいる月刊ヒュー・ホッパーの未発表音源撰集全10巻、折り返し地点。今月は07年のフィル・ミラー(g)との双頭ユニット。ミラーとは既にイン・カフーツで共演しており、手の合った所を見せる。ギターとベースのみの静謐なセッション、ホッパーの『ミニラブ』、ミラーの『キャリックス』とそれぞれの代表曲をまずは名刺交換代わりに演奏、以降は3曲の長尺物のインプロヴィゼーション。予め演奏の「大枠」は決められているが、二人共かなり自由闊達なアド・リブを繰り広げており、ほぼ対話形式の演奏となっている。ミラーは過去にもギター+ベースのみのセッションをフレッド・ベイカーと行っており、この手のは引き出しの範疇か。ホッパーのベースは相変わらずウネウネ続くよ何処までも~。

V.A「メニー・フェイセズ・オブ・イエス」


14年発表。また出たイエスのコンピレーション盤。3枚組で、1枚目はピーター・バンクス・テープを1枚ものにしたBBCセッション物『アストラル・トラベラー』、2枚目はバンクス、ウェイクマン、ハウ等メンバーのソロ・アルバムでクレオパトラ・レーベルに版権のある奴の再収録、人に因っては耳タコのバージョンばっかりかも。(特にウェイクマン)3枚目はビリー・シャーウッド製作のピンク・フロイドのトリビュート盤からイエス・メンバーの参加したもの+ジェネシス、ボストンのトリビュート盤から何故か1曲ずつ。ウェイクマンの『ワン・オブ・マイ・ターンズ』、ハウの『グッバイ・ブルー・スカイ』辺りは流石適材適所と云う感じだが、面白いのはスクワイア、ホワイト、ケイ、シャーウッドの参加した『コンフォタブリー・ナム』。これだけが随所でアレンジが原曲とちがっており、メンバーからして「有り得たかも知れないイエス」の匂いがして来る。もしも8人イエスが無くシャーウッド主体のイエスが存在していたら・・と妄想してみるのも一興?

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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