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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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カルロ・サヴィーナ「ファラオのはらわた」


72年作。どうしてエジプト・ロケをしているホラー映画は、こんなに無茶苦茶な出来が多いのか。フルチの『マンハッタン・ベイビー』、チャールトン・ヘストンが出たブラム・ストーカー原作の『ピラミッド』、フランク・ランジェラが悪役の『スフィンクス』、そしてこのイタリア映画『ファラオのはらわた』。アメリカの美人モデルがエジプトにロケに来る。どうもクフ王朝の王女の生まれ変わりらしいが、よく判らない。敵だか味方だが判らない変な組織が、王女を狙って無言電話をしたりディスコでストーカーしたりするが、何がやりたいのかよく判らない。音楽は重鎮カルロ・サヴィーナだが、時代に合わせてサイケデリックなBGMにミイラが出て来そうなフレーズが絡む。エジプト・サイケなんてこの映画でしか、聴いた事ねぇよ。殆どの映画で協力しているのが、『ドーン・オブ・ザ・マミー~ミイラ転生』『クイーン・コング』の監督、フランク・アグラマ。現地のプロデュース役だと思うのだが、若しかしたらこいつが元凶か?
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EL&P「ラブ・ビーチ」


78年作。ご存知第一期EL&P最終作にして、歴代プログレ・サイテー・アルバムのワースト・ワン。ビル・ブルーフォードもロバート・フリップも大槻ケンヂも、自分達の著書でわざわざ口を揃えて罵倒している。今聴けばそんなに悪い出来じゃないよ、ピート・シンフィールドも噛んでるし・・・と云う路線で始めようと思って改めて聴いて見たのだが、そんな事ァねぇよ!スッカスカだよ!全員バハマでリゾート気分で作ってるモンだから、スッカスカだよ!大事なことなので2回言いました。メンバーは全員、レコーディングは楽しかったと述懐しているが、そりゃあそうだよ、会社の金で旅行してんだもん。もはやレイクのバラードがどうとか『将校と紳士の回顧録』の求心力の無さは異常だとか、ツッコミを入れる事すら馬鹿らしい。当然中古市場でも余りまくって、ヒドい所だと50円で売っているが、同じ金額ならコンビニでフェリックス・ガムでも5個買った方がまだ楽しめそうだ。ラブ・ビーチは忘れなさい。

ザ・クリムゾン・プロジェクト「オフィシャル・ブートレグ・ライブ・アット・クラブ・チッタ(13/03/15,16,17)」


13年作。3/15、16、17に川崎クラブ・チッタで行われたクリムゾン・プロジェクトの公式ライブ盤、一気に国内盤で3日分、全6枚で登場。恐らくは海賊盤対策だろうけど、こうなると聴く方も大変だ。15日が赤、16日が青、17日が黄色とそれぞれディシプリン、ビート、スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアに対応している(?)。とは言っても、曲目は80年代~ダブル・トリオの時代の順列組み合わせ。大体一緒で、日によってガラリと変えている訳でもないから、どれか一枚買っとけば良いパターンかも。先に発売された本国でのライブとは異なり、完全収録が売りなので、破綻した演奏もはっちゃけブリューさんな演奏も全て聴けるのがミソ。フリップは引退を公言してるので、お弟子さんたちの頑張りを応援するのもまた一興かと。70年代の曲もその内演って欲しいね。

ミステリー「ザ・ワールド・イズ・ゲーム」


12年作。カナダ産プログレ・バンド、と言うよりはイエス出戻り組ベノワ・デヴィッド(Vo)の出戻り一作目。ベノワ参加作としては3作目。「イエスが歌ってみたラッシュ」とか身も蓋も無い事を言われているバンドだが、毎回良作を発表しているので、プログ・ファンの間での評判は頗る良い。コンセプトとしてはギター、キーボード兼任のミシェル・セント・ピエールのものか。フルートとキーボードのユニゾンで始まる掴みもGood。ラストでは20分の社会批評的な大作も難なくこなし、中堅どころとしては申し分無いのだが、作風としては雰囲気一発で押すシンフォニック・ロックなので、逆にイエス好きには余り面白く無いかも。ジェネシス、フロイドのファンの方が好評価になるかもね。

コンスピラシー「コンスピラシー・ライブ」


13年作。イエスのクリス・スクワイア(b,Vo)とビリー・シャーウッド(g,Vo)のユニット、コンスピラシーのライブ盤が発売された。2004年のライブだからファースト発売後で、CDとDVDの2枚組。最近、このパターン多いな。メンバーはアラン・ホワイトの代わりに現在ジョン・ペインの方のエイジア所属のジェイ・シェレン(ds)、弟のマイケル・シャーウッド(Key)、スコット・ウォルトン(Key,Vo)。本来、イエスのアルバム作成中に却下された曲の復活プロジェクトだったらしいが、その後のシャーウッドのソロより80年代イエスっぽい曲が多く、初々しくて宜しい。この後シャーウッドはイエスのプログレ人脈を生かし、怒涛の勢いで色んなバンドを結成させるが、それはまた別の話である。

プログレッション「ザ・ドリーム・オブ・セシリア」


07年作。スカンジナビアのプログ・フュージョン・インスト・バンドの再結成一作目。ハリー・ノーソ(g)を中心としたツイン・ギターにヴァイオリン、軽快なジャズ・ロック風のテクの応酬が始まると、あぁ、またこの手のタイプか、と思うだろう。しかし聴き進んで行くと、意外に親しみやすいメロディ、哀愁系の曲調と、ちょっと一味違う事に気が付く。アラン・ホールズワースやマハビシュヌ・オーケストラにならず、手触りはむしろキャメル、キャラバン等の泣かせ系カンタベリーに近い。硬質な展開の中にひょいひょい覗く、意外とベタな歌ごころ、これがこのバンドの「味」だろう。ゲイリー・ボイル辺りが好きなら、是非ご一聴を。

ホセ・ルイス・フェルナンデス・レデスマ「アル・フィロ」


02年作。メキシコのプログ・バンド、ナーガルヴァリスのリーダーの未発表を集めたソロ・・・の筈なんだが、なんじゃあこりゃ?!アンビエントのコーナーに分類はされているが、延々と子供の囁きや笑い声、静謐なシンセをバックに死者を弔うか如き無調の音楽が1時間以上続く。日本の「鉦」もチリーンと鳴る。「涅槃」とか「補陀落浄土」とかの単語が頭に浮かんで来て、一人で聴いてるととても怖いです。このジャケットの子供たち、絶対生きてるものじゃないですよね。(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル。探偵ナイトスクープで心霊写真特集とかやってる時にバックで掛かってるような音楽ばっかで、非常に心臓に悪いです。ポポル・ブーとはまた違った意味での宗教音楽なので、これからの季節の納涼に是非。ヒエ~(;_;)。

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