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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ザ・ナイス「ライブ・アット・クロイドン 1969(DL販売)」


13年作。DL販売版ナイスの第二弾。ステレオ・サウンドボード音源で時代を考えれば、まだ上々な部類。オーケストラをバックにした『五つの橋』+『カレリア組曲』全曲ライブ。ナイス最後の渾身の超大作、内容が悪い筈もなく、かっちりとした構成の出来となっている。エマーソン、オーケストラの使い方はこの頃の方が上手いのではないか。最も、EL&Pの『海賊』なんかと違い、3人では演奏不可能な曲なので、単純に同じ土俵で比べられない部分もあるにはある。と、云う訳で、エマレスト・ダブジャック先生、なかなか快調であります。このシリーズもあと2作、購入をどうしようかなぁ。
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ザ・ナイス「ライブ・アット・フェアフィールド・ホール 1968(DL販売)」


13年作。DL販売ナイス編の第一弾。とは言っても、今更ナイスの60年代の高音質音源が出て来る筈もなく、一部で有名なジョン・ピール・ショウのAMラジオ用音源。リマスタリングはしている様だが、経年劣化か、高音が割れまくり非常に聴き辛い。時間も30分強と短いが、その代わり演奏曲は『アメリカ』『少年老い易く学成り難し』『ロンド』と美味しい所は揃えている。放送用音源と云う事を意識したのか、『ロンド』もはっちゃけ振りは若干抑え気味。と云う事で、この時期に出して来るのはやはりちょっと問題アリなのですな。これで$5.56,高いか安いか?

マーティン・ダーヴィル&フレンズ「ザ・グレイテスト・ショウ・オン・アース」


98年作。こういうのも、関連作と云うのかなぁ。マーティン・ダーヴィルは現エイジアのマネージャー、英国内でコンサートホールや録音スタジオを経営する、業界の実業家。他にもユーライア・ヒープ、フォーカス、カーブド・エア等をマネージメントしている人。この人がただ一度、「ミュージシャン」として、発表したプログ・コンセプト・アルバムがこれ。とは言っても、コンセプト・メーカーと言うか舞台監督的な立場であり、楽器の演奏はしていない。実際の演奏は当時の子飼いのアーティスト達、ジョン・ウエットン(Vo,b)、クライブ・ノーラン(Key)、アルヴィン・リー(g)、デイブ・キルミンスター(g)、マーティン・オフォード(Key)・・・とプログレ・オールスターズ目白押し。このままアラン・パーソンズ・プロジェクトみたいに活動して欲しかった気もするね。

V.A「イタリアン・プログレッシブ・ロック・ヒストリー~甦る情景」


13年発売。何か国内盤で、スゴイの出ました。3枚組の超大作。イタリアン・プログレと云うのは英米や他の国とは、全く違った進化を遂げた音楽ジャンルで、ガラパゴスに行ったらイグアナが100種類以上いました、位の衝撃度なのだが、同時に多彩過ぎて買って見て「あれ・・これ、プログレ?」なんて事も実に多い。代表曲を集めたサンプラーがあれば良いなぁ、とプログ・ファンはみんな思っていたのだが、それをとうとう実現させてしまった。イタリアン・プログ・ロック・フェスの仕掛人、岩本晃志郎氏が3年がかりで権利交渉をして作り上げた、大労作のコンピレーション。PFM、オザンナ、バンコ、アレア等レコード会社の垣根が存在しないが如き編集で、各バンドの「代表曲」が収められている日本どころか世界初の大快挙。これを聴いて好きな曲が1曲も無ければ、その人はイタリアン・プログは一生縁がないと思った方が良い、その方が幸せな人生が送れるからって何か結論違うぞ。

ゴブリン「惨劇の調書~ザ・ベスト・オブ・ゴブリン」


00年作。リマスタリングされ、久々に再発。2枚組。しかし、何か凄い日本語版タイトルだな。ジャケ写は『エイリアンドローム』。CD1は『サスペリア2』から『フェノミナ』までのダリオ・アルジェントの映画サントラを中心とした選曲、CD2は80年代初頭の全盛期メンバーによるスタジオ・ライブ。近年の再結成まで、これが唯一のライブ盤だった。こちらは『ローラー』、『マークの幻想の度』等のオリジナル・アルバムの曲を織り混ぜながら展開。アンサンブルがイマイチライブ慣れしてない箇所もあるが、概ねテクニカルな演奏を繰り広げている。完全収録盤がブートレグでも出ており、音質は悪いがそちらを探して見るのも一興かと。海外では『サスペリア』全曲ライブなんかもやってるそうだから、是非日本でも。

タンジェリン・ドリーム「ニア・ダーク~月夜の出来事」


87年作。しばらく廃盤だったが、同じ吸血鬼物の西部劇『サンダウン』と一緒に再発。吸血鬼の一族がアメリカの田舎町を旅するロード・ムーヴィーと云う変わり種だが、『ゼロ・ダーク・サーティ』等が近作の、キャスリン・ビグロー監督のデビュー作でもある。『ハートブルー』等で見られる、「社会から隔絶されたグループの破滅劇」と云うテーマ早くも現れているのが面白い。タンジェリンはエドガー・フローゼ、クリストファー・フランケ、ポール・ハスリンガーの3人が揃い踏みの絶頂期の時代。徐々にハリウッド製の大作も担当しつつある頃で、初期サントラ作と同様にメロディも豊富、聴いて面白いサントラになっている。ベラ・ルゴシのドラキュラ物のようなBGMを、デジタル・ビートで処理した曲が秀逸。

クラウディオ・シモネッティ「ジ・エンド・オブ・ミレニアム」


99年発売。ゴブリンのクラウディオ・シモネッティ(Key)は、90年代後半からホラー映画のサントラ曲をアレンジしたCDを何枚か出している。これが後のホラー・トリビュート・バンド、デモニアに繋がるのだが、はっきり言って出来は玉石混淆、初期2枚の曲数を順列組み合わせで変更して再発したものや、再発かと思ったら新録が収録されていたり、なんか無茶苦茶である。比較的まともなのがこれで、「ベスト・オブ・クラウディオ・シモネッティ」の副題が付いている。『デモンズ』『フェノミナ』『シャドー』等のサントラ曲(再録)の他に、『ルネッサンス』『エンド・オブ・ミレニアム』等のプログレ・インスト曲が割りと多目に含まれている。映画の曲である事を意識せず、シモネッティのキーボーディストとしての味を楽しむには良いかも知れない。

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