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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ジョン・ハリソン「死霊のえじき」


85年作。ジョージ・A・ロメロ監督のリビング・デッド・シリーズの3作目、サントラが2枚組完全版で再発。音楽は前作『クリープショー』に続きジョン・ハリソンが担当。ハリソンは前作では音楽だけでなく、第一話『父の日』のお父さん役としても頑張っている。♬アイ・ウォント・マイ・ケ~ィク♬。こちらの内容はポリ・シンセを多用した、この時代特有のシンセサイザー・ミュージックとなっている。特に前作の(超有名な)ゴブリンの『ゾンビ』と張り合う気は無いらしい。CD1は劇伴BGM、CD2は公開当時のLPのリマスター版。LPB面に当たるパートはメイン・テーマのダンス・バージョン(!)、劇伴に歌詞を付けて歌モノにした曲と、劇中未使用だが当時の12インチLPの趣きがあって割りと面白い。これでリビング・デッド・シリーズは4作目までサントラが発売されたが、それぞれ時代に併せて音楽の方向性が全然違うのが興味深い。アナログ盤も同時発売。
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ストローブス「もう一つの骨董品~ライブ,70」


13年発売。英国フォーク・ロック・バンドの老舗、ストローブスの70年の発掘ライブ盤が発売された。ジャケ写にある様に、リック・ウェイクマン(Key,p)加入時代のもの。既に『骨董品』と云う名盤があるが、言わばそれの続編的ライブ盤。曲も一部被っている。リーダーのデイブ・カズンズ(Vo,g,他)は古楽器も担当し、中世的な幻想世界を創り出しているのが聴きどころ。また、こう云う伝統的なトラッド・フォークのバッキングでも、ウェイクマン独自の例の手癖は聞き取れ、やはり器用かつ個性の強いキーボーディストである事が判る。ストローブスはリックの息子、オリヴァー・ウェイクマンを加入させて現在も活動中。息子も器用である。

EL&P「ライブ・イン・モントリオール1977」


13年発売。EL&Pはこの数年、シャウト・ファクトリー社から、比較的音質の良いブートレグのライブ盤を公式で発売しているが、今回は77年、オーケストラ帯同時の『ワークス』ツアーを出してきた。このツアー、正規盤の『イン・コンサート』、拡大版の『ワークス・ライブ』でも3人バージョンでのオーケストラ無しでの収録。状態の良い録音がバンド側にないため、と言われていた。その為オーケストラ入りの公式ライブは初めてとなる。が・・やはり過度な期待は禁物で、内容はバンド側で録音した最終日のサウンドボード音源(但し録音はかなり良くない(^_^;))と、良質のオーディエンス録音を編集し織り交ぜて、ツアーの全貌を再構成したもの。最近のクリムゾン方式ですな。(それでも演奏された筈の『ホウダウン』と『タルカス』は多分音質面でオミット。)オーケストラ・パートは高音がキンキンと耳にキツく、聴いてて疲れるがアンコールの『ロンド』は20数分完全収録。素直にオーケストラ入りツアーが聴けるのを喜ぶべきなのだろう。まだまだ音の良いブートレグはこのツアーでも存在するので、今後に期待。

ピンク・フロイド「ア・モーメンタリー・ラプス・オブ・ニュージャージー」


13年発売。ブートレグです。フロイドの『鬱』ツアーは音質の良いサウンドボード音源がこの数年幾つか流出しており、ガードの硬いフロイド陣営にしては珍しい事である。この公演はライブ盤『光』のため数公演がサウンドボードでバンド側で録音されており、ブートレグ化しているのはその内の幾つかの流出音源と思われる。これも87年のニュージャージー公演のほぼ完全収録版。リマスタリングしてある様で、近年のブートレグの中では音質はかなり良質。2枚組なので、収録時間の関係で、やはり『マネー』と『吹けよ風~』の2曲が不完全収録。それを差し引いても『走り回って』『ようこそマシーンへ』等、正規盤未収録のサウンドボード演奏が聴けるのは有難い。当時はウォーターズ抜き、サポート・メンバーぞろぞろの編成が「フロイド・サーカス」と揶揄されたものだが、今となってはフロイドのライブの一つの完成形として興味深い。別公演を二階席から隠し撮りしたDVD-Rのオマケ付き。『対』と言うか『PULSE』時のブートレグは出ないのかいな?

ザ・ムーディ・ブルース「ライブ・イン・シアトル 1979」


13年発売。ムーディーズ、1979年の発掘ライブが発売。仏オン・ジ・エアー・レーベルと云う、何か怪しげなレーベルだが・・・。この前年にムーディーズは数年振りのスタジオ盤『オクターブ』を発表、ツアーを計画するがマイク・ピンダー(Key)がプライベートな理由で脱退、メロトロンを操る人気キーボーディスト、ピンダー抜きのツアーにはマネージメントも難色を示すが、何と元イエスのパトリック・モラーツ(Key,Synth)を電撃加入させてツアーに出発、これが好評を博しモラーツは正規メンバーに格上げ。ピンダーは以降、ニューエイジ色の強い、歌モノアルバムをソロで発表するが、ビジネス的な成功は得られず現在に至る。これはその明暗を分けた、モラーツ御披露目ライブの一席。サウンドボード録音だが、ラジオ音源の様でそれ程音質は良くない。しかし、まだ試用期間中で初々しく演奏するモラーツが聴けるのは貴重。レイ・トーマス(flute)との掛け合いバトルはこの頃から演っている。その後モラーツも、作曲上のクレジットを巡りメンバーと対立、訴訟になった結果、現在はムーディーズのバンド・ヒストリー上ピンダー共々、「サポート・メンバー」扱いとなっている・・・(泣)(^_^;)。

パッツォ・ファンファーノ・ディ・ムジカ「狂気じみた饒舌家の音楽」


89年作。日本プログレ史上に輝く名盤、長らく廃盤だったが紙ジャケリマスターでようやく再発。一見イタリアン・プログ・バンドの様だが、実は「引っ掛け」で、正体は当時のキング・レコード、クライム・レーベルの所属アーティストによるオールスター・アルバム。ヴィオラ、ヴァイオリン、フルートなどアコースティックな楽器を多用した、質の高いチャンバー・プログ・ロックである。「日本のオヴァス・アヴァントラ」を目指した様だが、むしろサード・イアー・バンドか?夢幻やページェント、アウターリミッツ、テルズ・シンフォニア等の当時の錚々たるメンバーが参加、架空の「イタリアン・プログレ」バンドを演じているのがミソである。上記のジャップス・プログが好きな人、チャンバー系プログが好きな人は是非この機会に購入を。

キャメル「スノー・グース(2013再録音版)」


13年作。アンディ・ラティマー(Vo,g,flute)は10年近い闘病生活が終わり、無事生還したらしい。英国や欧州でのツアーも始まり、キャメル、10年ぶりに再始動である。新譜も届けられた。名作『スノー・グース』の再録音盤。メンバーはコリン・ベース(Vo,b)、ガイ・ルブラン(Key)、デニス・クレメント(ds,Key)と前回のツアー時そのままの面々。ラティマーの人望が伺える。特にクレメントはプロデュースも兼ねており、一部ではキーボードも演奏、八面六臂の活躍を見せている。内容は基本的には旧作の忠実なリメイクであり、ある意味では余計な事はせず、期待値通りの出来になっている。来日公演に期待(^_^;)!!

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