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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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エイリオン「ザ・セオリー・オブ・エブリシング」


13年作。オランダのプログ・アーティスト、エイリオン・ルカッセン(Key,Synth)の大作コンセプト・アルバム・シリーズ、2ndが独インサイド・アウト・レーベルから発売された。CD2枚組+DVD1枚の大作。今回はビリー・シャーウッドの諸作の様にプログ・オールスターズによる共演作。キース・エマーソン、リック・ウエイクマン、ジョン・ウエットン、ジョーダン・ルーディス、スティーブ・ハケット・・・と大物揃いで、「人生の意味」を追うファンタジックなコンセプトのストーリーが展開される。音的にはハード・プログレ寄りであり、好みが分かれると思うが、この強引な演出力は評価したい。7人ものヴォーカルを配し、破綻させずに纏める構成力も大したもんである。次回にも期待?
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ブランドX「ミッシング・ピリオド」


75~76年作。ブランドXのデビュー前のデモ・テイク集もリマスター版で再発。1st『異常行為』の曲が殆どを占めているが、かなり完成度が高く、またリマスター効果により音質もオリジナルと比べても遜色の無いものになっている。バンドはフィル・コリンズ主導と言うよりも、高い演奏能力を持ちながら燻っていたラムリーやジョーンズのスタジオ・ミュージシャン軍団の不満が爆発、それを原動力として、下手なフュージョン・バンドなぞ軽く凌駕するバカテク大会となった楽曲郡が素晴らしい。バンド自体はその後、このハイテク演奏が逆に足枷となり、同一傾向のアルバムを連発して人気が落ちて行くのだが・・・。まだ初々しいこのアルバムを聴いて、その辺りの難しさを考えるのもまた一考かと。テクニカル・ジャズ・ロック・ファンは必聴盤。

ブランドX「ライブ・アット・ザ・ロキシー L.A」


79年作。テクニカル・フュージョン・バンド、ブランドXの廃盤だった数枚がゴンゾ・マルチメディア社からリマスター再発された。まずは『プロダクト』発売時の公式海賊版。メンバーはフィル・コリンズ(ds)、パーシー・ジョーンズ(b)、ジョン・グッドソール(g),ロビン・ラムリー(key)、ピーター・ロビンソン(Key)の第一期メンバー。サウンドボード録音だが、発掘ライブの為音質は中の下と言った所。後に『ライブストック』と云う傑作ライブ盤がブランドXにはあるが、あちらはツアー中のベスト・テイクを編集したものであり、一公演を丸々収録したアルバムは今回が初めてとなる。ジェネシスでの鬱憤を晴らす様な嵐の如きフィル・コリンズのドラムス、超絶ベースのパーシー・ジョーンズのインプロヴァイズ大会はやはり聞き物。しかし、歓声が五月蝿いなぁ・・(^_^;)。

クレイマー「ザ・ギルト・トラップ」


92年作。クレイマー(Vo,Key,b他)はNYアンダーグラウンド・シーンのプロデューサーにして元シミー・ディスク・レーベルの総帥。活動初期にジョン・ゾーン、デヴィッド・アレンと接点を持った事により、ややカンタベリー寄り(と言うかアヴァン・ロック寄り)のソロ・アルバムも発表している。このアルバムは92年発売の2枚組。インストと歌モノが交互に演奏される構成で、インストはしばしばやや変拍子入ったプログ寄り、歌モノは当時のインディーズ系を彷彿とさせる哀愁を込めた楽曲となっており、クレイマーのソロの中でも捨て曲無しとの評価が高い。シミー・ディスクは所属バンドやスポンサーとの契約違反を起こし、訴訟を起こされ現在は解散しているが、クレイマーは06年にセカンド・シミー・レーベルをフロリダに創設、ダニエル・ジョンストンらの協力を受けプロデューサー及びソロ・アーティストとして現在も精力的に活動している。

リック・ウェイクマン「グレイテスト・ヒッツ」


94年作。2枚組。エラく仰々しいタイトルに「あぁん?!ウェイクマンにヒット曲なんかそんなにあんのかぁ~?」と一気に北斗の拳のザコ敵の様な喋りになってしまいそうだが、これ全て94年にウェイクマンがセルフ・カヴァーで新録したもの(^_^;)。CD1がイエス、CD2がソロからの楽曲、しかもウェイクマン以外は当時のイングリッシュ・ロック・アンサンブルのアラン・トンプソン(b)、トニー・フェルナンデス(ds)の3人のみの激安構成。後は全てウェイクマンの弾く当時流行りのポリ・シンセで演奏されており、ペラッペラの安い音であの名曲郡が再現されている。今日は少し調子が悪いので、ペラッペラの『ラウンドアバウト』『シベリアン・カートゥル』、ペラッペラの『地底探検』『魔術師マーリン』を聴きたい夜なんかにゃ最適である。そんな奴ぁいないと思うが。全くウェイクマンは時々こう云う変化球どころか、デッドボールがあるから止められない。よく考えたらこのタイトル、自虐か?因みにウェイクマンはA&M社からのちゃんとしたベスト盤や、米国に渡って作ったちゃんとした再録音盤もあるので、マニア以外の人はそっちを探しましょう・・・。


オデッシス「インプレッション(増補版)」


01年作。オデッシスは、キャメル・フォロワーな中堅のオランダ発インスト・プログ・バンド。97年のデビューから断続的に活動しており、地味な印象だがファンの評価が高い。近作、10年の『サイレンス』以外のアルバムは廃盤でレア化していたが、今回2ndの『インプレッション』が2枚組、リマスター仕様で再発された。まずは目出度い☆彡。CD1はオリジナルのリマスター版。基本アンディ・ラティマーの影響のあるギター・ワークを中心とした楽曲が並び、キャメルの『アイス』『サスクワッチ』辺りが好きな人ならきっと気にいる筈。CD2はデモ・バージョン、未発表ライブを収録したボーナス・ディスク。1st『ムーンドライブ』、ライブ盤『シークレット・ショウケース』も同仕様で再発される様なので、今から楽しみであります。

スティーブ・ハケット「ジェネシス・リバイステッド:ライブ・アット・ハマースミス」


13年作。CD3枚+DVD2枚組の豪華版、スティーブ・ハケット、「ジェネシス・リバイステッド」プロジェクトの大締めに相応しいライブ盤が発表された。英ハマースミス劇場でのライブ、ハケット・バンドはこの数年ノリが良く、プログ・ロックを演奏するバンドとしてはトップ・クラスだと思われるが(四人囃子のお墨付き!)、ジェネシスの過去曲を忠実に再現するこのプロジェクトでも複雑な楽曲を一糸乱れぬアンサンブルで演奏しており、ジェネシスのファンでなくても一聴の価値がある。巨頭の一つであるイエスが若干ライブの出来にブレがある現在、この安定感は貴重である。CD3枚組の長尺なライブながら、ダレる事がないのでじっくり味わって頂きたい。ジョン・ウエットンもゲスト・ヴォーカルで参加。相変わらず付き合いの良い人だ(^_^;)。

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