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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ニーノ・ロータ「悪魔の首飾り」


67年作。ポー原作の古典オムニバス『世にも怪奇な物語』の中で「最もコワい」第三話、『悪魔の首飾り』の完全版サントラ、遂に発売。タイトルは『悪魔に首を賭けるな』or『トビー・ダミット』でも可。ハリウッドの俳優トビー・ダミットは、聖書を題材にした西部劇を撮る為にフェラーリの新車を条件にイタリアに向かう。その影に現れる少女の形をした死神。世紀末の魔界じみた光景はドラッグに溺れたダミットの幻想か、はたまた・・・。ポーの原作をフェデリコ・フェリーニ監督は大胆に改変(最後にダミットの首がXXるとこしか合ってない)、夢ともうつつともつかぬローマの風景、ここまで悪夢じみた映画は他にはダリオ・アルジェントの『インフェルノ』位だろうか。サントラはこれまでにロータのフェリーニ作品集に収められた再演奏版、また『フェリーニのローマ』他とカップリングで『Nino Lota LSD Roma』のタイトルで不完全版は出ていたが、映画使用分の完全盤面化は今回が史上初。とは言っても、主要メロディは「ダミットのテーマ」「死神のテーマ」「パーティーのテーマ」の三種類しかなく、全てこのどれかの変奏曲。今回若干のホラー・テーマとジャズ・テーマが追加されたが、怪奇映画かロータのファンでなければ50分通して聴くのはちょっとキツいかも。あくまでコレクターズ・アイテムって事でご容赦。
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タンジェリン・ドリーム「アウト・オブ・ディス・ワールド」


15年発表。1月に逝去したエドガー・フローゼの追悼盤、恐らくその一。00年以降に発表されたタンジェリンのスタジオ作からのコンパイル盤で、選曲は未亡人のビアンカ・フローゼ。「特にプライベートで思い入れのある」楽曲で構成されているとの事。晩年のフローゼは「テクノ」の流行も敢えて追わず、また旧作にも捕らわれず、サントラ仕事も影を潜め、あくまで自然体な頭の中の音楽を訥々と綴っていた様な印象を受ける。まるで江戸時代の歌人や俳人の様だ。勿論、現在から逆算しての話だが・・・。それでも亡くなる数日前まで仕事をしていたワーカホリックめいた生涯とのギャップ、この辺りが後年、フローゼ及びタンジェリン・ドリームを評するときの鍵となりそうな気がする。バンドとしてのタンジェリンはビアンカ主導の元に継続の意思が表明されており、またエソテリック・レーベルからオフィシャル・ブートレグ・シリーズ(従来の製品とは別物)の続刊も発表された。まだまだタンジェリンは死なない。

アルトー・ビーツ「ロゴス」


15年作。カンタベリー・ミュージック/RIO系、久々のスーパー・バンドの登場。メンバーはジェフ・リー(Sax,Flute)、ジョン・グリーブス(b,p,Vo)、クリス・カトラー(ds),ユミ・ハラ(Key,Vo他)。ええっと・・・「ヘンリー・カウ・レガシー」?元カウのメンバー3人にこのブログでも再三登場する才女ユミ・ハラが加わった形だが、今でも前衛の最先端を突っ走る面子だらけのこのバンド、ちょっと一筋縄では行かない感じ。スペイシーで羊水の中にたゆたうが如き浮遊感覚、即興性で構成された空間にユミやグリーブスのシャンソン仕込みのヴォイスが絡み、カトラーの変拍子にジェフの管楽器の音が闇夜を裂くが如く炸裂する。当然カウの音楽性とも異なり、カトラーの近作にグリーブス、ユミの先鋭音楽指向がブレンドされた感じ。昨年のRIOでも来日し、現在も同一メンバーでライブを行っているらしい。メジャー・シーンのバンドとは活動形態も目標も全く違うが、是非今度は単独で来日して頂きたい。生グリーブス見たいなぁ・・・。

モラーツ・アルバーン・プロジェクト「MAP」


15年作。元イエス、ムーディーズのパトリック・モラーツ(Key,Synth)6年振りのスタジオ盤の発表。米フュージョン畑のグレッグ・アルバーン(ds)との共作。ドラマーとの双頭バンドと言うと、過去にビル・ブルーフォードとの共作もあったが、今回はあれ程アコースティックな展開ではなく、アルバーンの知己の参加したバンド形式。バカテク・バンドではなく80年代のお手軽クロスオーバー・フュージョンと言った、リラックスしたアルバムとなっている。モラーツ、いつもの手癖はかなり影を潜め、さしずめボブ・ジェームズかリチャード・ディーの趣き。年を取って丸くなったか、それともスポンサーのアルバーンの意向か。モラーツはこれまでもその自己主張の強さと癇癪持ちと演奏中に変な悲鳴を上げるクセが裏目に出て、その演奏力の高さにも拘らず人間関係が余り長続きしていないが、もう良い年なんだし、この辺で晩年の傑作と言えるアルバムを作って頂きたい。過去作と比べると「?」なアルバムだが、まずは新作、目出度い目出度い(^_^;)。

トニー・バンクス「ア・コード・トゥー・ファー」


15年発表。エソテリック・レーベルから、アンソニー・フィリップスに続きジェネシスのトニー・バンクス(Key,Vo)の4枚組アンソロジーも発表。過去の9枚(!)のソロ・アルバムからの抜粋で、何故か時代順ではなく時系列シャッフルで構成されている。バンクスのソロは①プログ・コンセプト・アルバム②サントラ作品③チャートを狙ったポップ・ロック・アルバム④クラシックのオーケストラ作品、の4種類に分かれており、プログ系のキーボーディストにありがちなニューエイジ作品は作られていない。バンクスの不幸は、同僚がフィル・コリンズやマイク・ラザフォード、ピーター・ゲイブリエルだった事ではないだろうか。このアンソロジーの大半は前記③のジャンル、言ってしまえば「チャートを狙って惨敗を4回も5回も繰り返した記録」である。どうしても同僚たちに近いセールス実績を上げたかったのだろうが、はっきり言って②や④のインスト中心の作品の方が破綻が無く、この人の本領はむしろクラシックをベースにしたこの手のジャンルの様に思える。有能な同僚がいても、逆に人生、イマイチ螺子が噛み合わない事もある見本の様な作品集。この後スティーブ・ハケットのアンソロジーも続刊予定。

ゴブリン他「サスペリア2(赤い深淵)40周年記念ボックス」


15年発表。♫ラララララ~ラララランランラララララン♫そうか、もう40年経つのか・・・(;_;)。ゴブリンのデヴュー作、『サスペリア2』の40周年記念ボックスと云うエグい商品が発売。内容はオリジナル盤のサントラCD(2枚組バージョン、曲目は以前のブログで書いた「Rev.3」、但しリマスタリングは伊現行版と同じで国内盤DSD等よりは劣る)、クラウディオ・シモネッティ作曲の『ミュージカル版』のCD(オリジナル曲は未使用)、現在の「クラウディオ・シモネッティズ・ゴブリン」によるオリジナル曲X5曲再演奏バージョンのアナログ10inch、気持ちの悪いTシャツと75年の劇場版復刻ポスター。と、まぁあんまり嬉しくないご祝儀製品。ジョルジュ・ガスリーニの未発表曲も全て含めた「超完全版」3枚組CDとか、現行メンバーによる「サントラ完全再現CD」とか、その辺色々考えて欲しかった。これがなんかの間違いで売れたら『サスペリア』40周年盤とか『ゾンビ』40周年盤とかも数年後に出すのかねぇ?

GTR「GTR(エクスパンデッド・エディション)


86年作。ハウとハケットの双頭バンド、GTRのエクスパンデッド版の登場。エイジアでウエットンとの権力闘争に負けたハウ、マネージャーのブライアン・レーンの暗躍もあり、ハケットとのツイン・ギター・バンド、GTRを結成。ハウ派閥のジェフ・ダウンズをプロデュースに迎え、エイジアの夢よもう一度とばかり「売れ線」路線で勝負に出る。しかし、アルバムの出来の良さにも拘らずセールスは不発。前年のエイジアの3rd『アストラ』も惨敗だったので、既にこの手の音楽が飽きられてしまっていたのだろう。発売と同時に行ったツアーでもハウとハケットの関係が悪化、後半は延々二人のギター・ソロが垂れ流される我慢大会の様なライブに。以降、ハウとハケット双方に心理的にも金銭的にも、禍根を残す結果となる。アルバム自体は二人のツイン・ギターを当時のエレ・ポップ路線でフィーチャーする傑作で、今回はディスク1に3曲のシングル・バージョン追加、ディスク2にキング・ビスケット音源の米ツアー・ライブ。公式盤音源を全て網羅した決定版。勿論エイジア関連作としては最重要作。

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