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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ゾンビーズ「ライブ・イン・コンサート・アット・メトロポリス・スタジオ」


ゾンビーズは、下手したらオールディーズの文脈で語られてしまう事も多いのだが、「オデッセイ&オラクル」と云う傑作コンセプト・アルバムもあるし、ボーカルのコリン・ブランストーンはアラン・パーソンズ・プロジェクトやキーツに参加してるし、意外とプログレとの接点も多い。何よりもロッド・アージェントのオルガンは、エマーソンやナイス好きなら堪らないのではないか。このアルバムは再結成ゾンビーズの2011年ライブ。「ふたりのシーズン」「好きさ好きさ好きさ」「サマータイム」などの誰でも知ってるヒット曲を、縦横無尽に駆け巡るアージェントのキーボードは、殆どリック・ウェイクマン。プログレ好きにこそ、お薦めのアルバムです。しかし結成50周年記念ってのも凄いよなぁ。
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プログレ同姓同名ランキング



結構、プログレ界隈には同姓同名がいたりする。ハットフィールド・アンド・ザ・ノースのキーボード、デイブ・スチュワートはユーリズミックスのキーボーディストと同じ名前。楽器も被っているので、ソロ・アルバムが輸入盤で出ていても、すぐにどっちの人か判らない(^_^;)。ついでに一時期キャメルに在籍したドラマーにも、デイブ・スチュワートさんがいたりする。キース・ティペット関連の人脈には、トニー・レヴィン(ドラムス)とポール・ロジャース(ベース)さんがいる。ジャズ・ロック界隈にはロジャー・ディーン(キーボード)さんがいたりする。(まぁジャズでもビル・エヴァンスが二人いるが・・・)中でも困っちゃうのは、カントリー歌手のジョン(John)・アンダーソンさん。イエスの方はJon。これ、イエスのコレクターは誰でも一度は間違って買ってないか。割りと売れっ子みたいで、枚数も多いのである。更に悪質(?)なのが、クリスチャン・ミュージックのジョン(Jon)・アンダーソンさん。全くの同姓同名。おまけに宗教音楽だから、アルバムも神の愛がどーたらこーたら、天界への階段がどうのこうのと、余り本家と区別がつかんから始末が悪い。ネット通販で現物を見ないでCDを買えるので、今後も間違って買っちゃう人は後を絶たないだろう。皆さん、くれぐれもご用心。

ブルース・ウーリー&カメラ・クラブ「イングリッシュ・ガーデン」


バグルス「ラジオ・スターの悲劇」の作曲者、ブルース・ウーリーの唯一のアルバム。トーマス・ドルビーも参加。当然「ラジオ~」と「クリン・クリン」も再演している。テクノポップのバグルス版に比べ、こっちは軽快なニュー・ウェイヴ。山ほどカヴァーのある「ラジオ~ ]の中でも、このバージョンは出色の出来。日本盤とUS盤が出ているが、US盤は10曲近く未発表曲が入っている豪華版。にも拘らず、日本盤から1曲抜けており、「ラジオ~ 」のバージョンが違う(日本盤はUKバージョン?)、と云う困った代物。ウーリーはその後、トレヴァー・ホーン周辺で映画「トイズ」のサントラを担当したり、レコード・プロデューサーとして活躍しております。ホーンも「プロデューサーズ」として、ライブに復活した事だし、この人もカメラ・クラブの再結成、とかしてくれると面白いのだけどねぇ。

イエス・トリビュート「テイルズ・フロム・ザ・エッジ」


伊メロウ・レーベルのプログレ・トリビュート・シリーズ、今までキャメル、EL&P、ムーディー・ブルースと続いていたが、とうとうイエスの登場。ビリー・シャーウッド系列のトリビュート・シリーズは、バンドの旧メンバーとかをゲストで呼び、わりと原曲に忠実なアレンジなのに対して、こちらは若手バンドを揃え、自由闊達にアレンジさせているのが聞き所。今回もテクノ、チャンバー・ロック、ジャズ・ロック、スウェーデッシュ・ポップと、盛り沢山。ファンに評判の悪い「結晶」からも、数曲選んでいるのもポイント高し。次はフロイドかな?

ロジャー・ウォーターズ「ヒッチハイクの賛否両論」


小説家が、自作を自分で「映画監督」として、映画化する時、失敗に終わる一つのパターンがある。まず、台詞を切れないので、編集が悪く、だらだらとした展開が続く。ストーリーには自信があるが、「絵」として見せる事は素人なので、カメラワークやコマ割りに魅力がない。シーンの一つ一つのショットは良いのだが、繋いで見てみると有機的に繋がらない。ロジャー・ウォーターズのソロ・アルバムは、「全て」この条件に当てはまる。極論を言ってしまえば、音楽的な感動は、皮肉なことに他メンバーのソロ中、最低ランクだと思う。「俺がフロイドだ!」と云う事を証明したい余り、誰の意見にも耳を貸さず、独りよがりな作品になり、結果として、ロジャー≠フロイド、と云う正反対の結論を世間に証明している。とても悲しい話だと思う。このアルバムも、ギターにエリック・クラプトンなんてビッグ・ネームを呼ぶのではなく、アンディ・フェザー・ロウかスノーウィ・ホワイト辺りで我慢して、こじんまりと作っていた方が、ロジャーの私小説的なコンセプト・アルバムの小品、として評価が高かったような気がする。内容が内省的なのにゴージャスに見せようとするから、金をかけた大作映画の失敗作みたいな出来になっているのだ。フロイド・フリークにしかお薦めしない、世紀の失敗作。

キング・クリムゾン「ザ・コンストラクション・オブ・ライト」


このアルバム、みんなわりと「誤読」してるのではないか。難しく考え過ぎなのでは。じつは歌詞や曲単位に分解して見てみると、これまでになくエイドリアン・ブリューのひねこびたユーモア感覚が発揮され、かなりポップである。それを考えられる限り、テクニカルな演奏で作品化しているので、みんな一回聴いた限りでは、さぞかし高尚な事をやっているのだなと誤解が生まれるのである。これ、プログレの「ギャグ」なんじゃなかろうか。予告編としてプロジェクト・シリーズで繋いでみて、さぁこれからと云う時にブラフォード他のメンバーが脱退、困っちゃったな、じゃあ思いきし「ポップ」なアルバムやって見ようか♬てへぺろ♬なんて感じなのではないか。その意味では立ち位置はイエスの「海洋地形学の物語」に近い。「プロザック・ブルース」はその黒人音楽の茶化し方から、EL&Pの「アー・ユー・レディ・エディ?」に近いだろう。改めてその視点で聴いて見る事をお薦めする。ある意味クリムゾンの「大傑作」。

プロレスとプログレ


友人と、後楽園ホールに新日本プロレスを見に行った。会場内に、大音響で掛かるエマーソン・レイク&パウエルの「ザ・スコアー」。唸る満席の手拍子。うーん、良いなぁ。目の前で見てるのが、プロレスで無ければもっと良かったかなぁ。大ホールで掛かるアブドーラ・ザ・ブッチャーの「吹けよ風、呼べよ嵐」、前田日明の「キャプチャード」なんてのも、その場にいたら、結構感動するような気がする。カラオケの「スゴ音!」で掛かる「イージー・マネー」ですら、わりと感激なのだ。そういやテレビの女子プロかなんかで、アルヴィン・リーの「ノー・リミット」を行進曲に使ってたのを見たことあるぞ。ディープなマニアが多いと云う点で、プロレスとプログレ、意外と相性が良いのかも知れん。

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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