
17年作。フローゼ総帥亡き後、若手三人体制で活動中のタンジェリン、没後初の「カップディスク」発売。ティーカップを一杯セットするのと同じ時間で聴けるディスクを、と云う訳で昔で言う所の「ジャンボ・シングル」のことで今回は二枚組。長尺物のセッション1曲に、先般のベルリン・フェスからのライブ2曲と、ドイツ国内の追悼ライブから5曲。『ルビコン』『ホワイト・イーグル』『マザー・オブ・レイン』『ドルフィン・ダンス』等、70~80年台の著名曲から演奏されている。以前より旧曲の比率が多いのは、現メンバーによる「襲名披露」の周知化、を狙っての戦略だろうが、スタジオ新曲が実験的なセッション1曲のみ、と言うのは気にかかる。噂されていたピーター・バウマンの参加話も、何やら暗礁に乗り上げていつになるやら判らない。現イエスもそうだが、現メンバーによるフル・スタジオ盤の一刻も早い発表が望まれる次第。余り未亡人ビアンカさんの顔色を伺わず、「タンジェリン・ドリーム楽団」として細く長くやってくのも手だと思うよ。
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