
83/84/14年作。ヒカシューの井上誠(Key,Synth)がリーダーとなって作成された、伊福部昭の東宝特撮映画音楽のシンセサイザー・トリビュート盤、新作の『Ⅳ』を付け加えてBOXで復刻。井上の人脈から、当時のテクノ/ニューウエイブ系のミュージシャンが勢揃い。同じヒカシューから巻上公一、ゲルニカ(戸川純の唄う『モスラ』!)、ジューシー・フルーツ、「元バグルス」のジミー中山等の豪華メンバー。伊福部のオリジナル曲がCAN、ラ・デュッセルドルフ、ゴドレイ&クレーム、ピンク・フロイド(『エコーズ』!)にインスパイアされたアレンジで奏でられていく。それでも井上の「あの頃映画館で聴いた曲」と云う明確なポリシーが根底にあり、全てオリジナルをリスペクトした傑作になっている。「特撮映画のBGMのシンセ版」と云うユルい企画を想像してるとエライ目に逢う。全体から伊福部昭の楽曲への深い愛情の念が感じられ、実は小手先のアレンジよりもまずそこを聴くべき作品だろう。限定版なので、特撮ファンの変なプレミアが付く前にお早めの購入をお奨め。
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