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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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デイブ・ブロック「ルッキング・フォー・ラブ」


13年作。ホークウインドの総帥、デイブ・ブロック(Vo,g,Synth)の新作ソロが発売。去年からのこの人の創作意欲は老いてなお凄まじく、去年はバンド本体としては2枚組の大作『オンワード』を発表、アラン・ダーヴィー(b)のソロに参加、間髪を置かず新旧メンバーによる、テクノ・アンビエント系寄りの別働隊『ホークウインド・ライト・オーケストラ』(ELOは関係ありません^_^;)による新譜発売アーンドライブ、勿論バンド本体のツアーも従来通り行なっている。(どさくさに紛れてもう一つの別働隊、ホウクローズも新譜を出したが、こちらは不参加)そして今回のソロ。ファンタジー系の世界観をベースにしたコンセプト・アルバムで、楽曲のレヴェルも高く、ホークウインドに余り興味が無い、普通のプログ・ファンでも充分楽しめる出来になっている。ブロックのソロは出来にばらつきがあり、バンド本体のボツ曲で作ってんじゃねぇかって悪口を言われていた事もあるが、今回は割りとお薦めです。このまま健康には気を付けて、突っ走って欲しいね。
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トレイ・ガン&パット・マステロット「Tu」


03年作。90~00年代のクリムゾンのリズム隊、トレイ・ガン(b,Stick,War Guiter)とパット・マステロット(Ds,Synth)のコラボ・ユニット。どちらかと云うと前衛入ったアンビエント・ミュージックって感じで、クリムゾン流のテクニカル・インストは数曲のみ。(まぁ、ギターがいないからね^^;。)違う意味でびっくりしたのは4曲目。いきなり啜り泣きが聞こえて来て、「痛い・・苦しい・・・助けて」と日本語。そう云う悪趣味な曲なんだけど、福澤徹三とか読みながら聴いてたから何か降りてきたかと思っちゃったよ。怪奇大作戦『死者がささやく』かいな。(もう一回聴いて入ってなかったらどうしよう^_^;)プログレ悪趣味大会でもあったら堂々一位の曲である。あと、二人共真面目な性格なのか、ユーモアが無くてどうも息が詰まるなぁ。このままだと二人共テクニカルなだけの技術屋さんで終わってしまいそうなので、もう一皮剥けたら良いと思うが。

オーラ「サティヴァ」


77年作。いわゆるレア・グルーブ、米国西海岸のベイエリア・ファンク・サウンド。豪華なブラスに男女混声のソウルフルなヴォーカルが絡むと云う、ここだけ聞くと典型的なサイケデリック・ファンクだが、それに付け加えメロトロンがバックで唸り、フルートが吠え、キーボードが縦横無尽に駆け廻るとあら不思議。隠し味で入れている筈なのがやけに悪目立ちし、感触がプログレになってしまっている。まるできちんと作った懐石料理に、最後にカレーを掛けたら全部カレー味になっちゃいました、みたいなアルバムである。初期クリムゾンに黒人系メンバーが2~3人いたらこんな感じかも知れない。タイトルは当然「Green Sativa(大麻)」からだろう。サイケデリック・ファンクのレア盤と言われているが、むしろプログ・ファンにお薦め。そういやP-ファンクなんかも、プログレみたいなアルバム、結構あるなぁ。

カジャ・デ・パンドラ「カジャ・デ・パンドラ」


81年作。メキシコ産テクニカル・プログ・バンドと云う変わり種のファースト。プログレ衰退期のデビュー、しかも全編シンフォニック系インスト。マスターの問題か一部音質が劣化しているが、概ね問題ないレヴェル。イングランド、ハッピー・ザ・マン、アイン・ソフ辺りのファンにお薦めかも知れない。この周辺の時期、プログレはパンクやニュー・ウエイブに押され、大物バンドは皆解散または雌伏、完全に冬の時代だった。本場の英国からデビューするバンドはマリリオンやイット・バイツ等のポンプ・ロックと呼ばれる、後のハード・プログレ系のみ、そんな時に前述の正統派シンフォニック・バンドがアメリカ、日本、メキシコ等、本来プログレ不毛の地から現れているのが興味深い。今回のCDではボーナス・トラックで翌82年のライブ・テイクが数曲追加されており、演奏の密度はこっちの方が「濃い」かも。

ダテオトコ「悩殺仕事人」

 
13年作。12年より活躍しているサイケデリック・プログレ・歌謡曲バンド(と言うよりミクスチャー?)ダテオトコのセカンド。お囃子やヘンテコ変拍子の鳴り響く中、独特の惨美な歌詞世界がアタマをクラクラさせる。リズムがプログレなのに徐々にズレて行く『MAGUSO』、歌詞が怖い『足音笑う』、70年代サイケデリックの影響が強い『感情と我儘』、曲想もバラエティがあり、飽きさせない。因みにロック系のジャケに中村主水がいるのって、初めてじゃないかなぁ。いまBSで『必殺仕事人V』が再放送してるけど、ストーリーはともかく、映像はお金掛かってるよね。会場限定だったファースト『気持ちばかりのデモ』も、再販希望(^_^;)。

ロジャー・ウットン「サンタが***にやって来る」


09年作。異形のアシッド・フォーク・バンド、コーマスのリーダー、ロジャー・ウットン(vo,g)のソロ・ライブ盤。バックバンドにサイケデリック・バンドのPIU。84年のホラー映画『サンタが殺しにやって来る』はラストシーンが凄かったなぁ。あれ、海外では完全版DVDが出てるので、日本でも出してくれないかねぇ。似たような話の『悪魔のサンタクロース・惨殺の斧』もパート4まで出てるので、BOX化希望。さて、話が終わらないので、このアルバムの内容だが、アシッド・フォークと云うよりも日本で云うとナゴム・レコードとか、ジャガタラとか町田町蔵のINU、あの辺のファンの方が気に入りそう。コーマスの曲も演奏しているが、更にアシッド化している(-_-;)。

トゥインク「シンク・ピンク」


70年作。元ピンク・フェアリーズの怪人、トゥインク(Ds,Vo)のファースト。「サイケデリック・ロックの名盤」として評価が高いが、なんつーか、無茶苦茶である。おサイケなギター・バトルにエロボイス、エコーの掛かったお経にインド音楽、聴くものの精神を不安定にさせる要素がてんこ盛り。とにかく変な事やって見ようぜ、つって突っ走って一気に作っちゃったみたいなノリがある。やはり変人のキース・ムーンのソロ・アルバムが、レコード制作と宴会の区別が付いていない大迷盤だが、ここはボンゾに生きてる内にソロ・アルバムを作っておいて欲しかった。恐らく強烈なブツが出来上がっていたろうから、このトゥインクやキースのアルバムと並んで「キXガイドラマー3部作」として、ロック・キッズに重宝されていたに違いない。ところでキースのアルバムは酒臭いですが、この人のアルバムはクXリ臭いですね。ヒプノシスのジャケ、トゥインクが何処にいるか判ると、物凄く精神が不安定になるよ。

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