プログレッシブ・ロックのメロディーの独自性と云うのは、ある意味、その国の「民族音楽」的なフレイヴァーなのだと思う。クリムゾンの初期だと、底に流れるのはケルト風のトラッド・ミュージックだし、イタリアン・プログレの歌ものの基調にあるのは、やはりカンツォーネ、オペラだろう。ポーランド、ユーゴのプログレ・バンドに、1部で熱狂的なファンがいるのは、汎ロシア的なメロディー→エマーソンが好む、EL&Pライクなメロディー、と云うのは存外、外していないと思う。
それでは我が国では、と云うと、歌謡曲(演歌?)+プログレ、と言うのはメタル系ではわりとあるのだが、純粋に邦楽プログレ、だとこのバンド、絶対無くらいだろう。
邦楽の和太鼓のリズム、短音階を多用したメロディーはプログレの変拍子と意外と相性が良く、殆どヌーベル・キュイジーヌの世界である。美味しいんだよね、プログレとして。鬼太鼓座やヒュー・ホッパーと共演したYUMIさんなんかもプログレ好きには人気があるが、あの辺は純邦楽であって、「ロック」ではないからね。フュージョンのヒロシマなんかは、日本人が聴くと殆どジンギスカンの「サムライ」の世界だし。アニメ「じょしらく」のエンディングがこんな感じだよなぁ。
当然だが海外の方が人気があり、日本盤が無かったりするけど、探す価値はあります。
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