04年作。もしもこの作品がビーチ・ボーイズ名義で66年に発表されていたら、確実に変化していた事が三つある。一つ、70年代を待たず、「コンセプト・アルバム」の傑作がアメリカより現れていたので、その後のフロイド・クリムゾン・EL&P等の英国プログレ陣の勢力図が、かなりアメリカ陣営の作品に依って変わっていた可能性。(特にテーマが被る『狂気』はヤバい(^_^;))二つ、同じ様に「アメリカの暗部」を描いた作品、例えばイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『カリフォルニケイション』辺りは、先人に倣いよりコンセプト・アルバム、プログレッシブ・ロック化していた可能性。そして三つ目は、ブライアンがビーチ・ボーイズから離れ、後年のフロイドとロジャー・ウォーターズの様な関係になっていた可能性がある。
勿論歴史はそう云う訳には進まず、以降のビーチ・ボーイズは、「良質のサマー・ソングを提供するポップ・バンド」と「アメリカの暗部を描く思索的ロック・バンド」の二つの顔が矛盾なく同居する、不思議なバンドになって行く。まぁ、そこが面白いのだけど・・・。
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