
72年作。フロイドが70年代前半に音楽を担当した映画は『モア』『砂丘』『ラ・ヴァレ(サントラは『雲の影』)』の3本あるが、どれもドラッグ・カルチャーを扱ったもので、『狂気』以前のパブリック・イメージがどんなものだったかよく判る。『モア』『砂丘』は当時、日本でもロードショー公開。『ラ・ヴァレ』だけ未公開のままだったが、2007年、渋谷の単館レイトショーで漸く上映の運びとなった。パブア・ニューギニア領事のフランス人の若妻、ヴィヴイアーヌは、幻の羽を探すヒッピーの集団に導かれ、ジャングルの奥へ奥へと・・・。いやぁ、どんな映画だって未公開って理由がちゃんとあるんだよねぇ。余程のフロイド・フリークでも、爆睡必至な出来。と言うか、『ウェン・ユー・アー・イン』と『雲の影』、『フリー・フォア』の3曲しか劇中では掛かりまへん。因みにこの映画のフッテージは80年代に伊ゾンビ映画『ヘル・オブ・ザ・リヴィング・デッド』に流用されており、そっちの方がそこそこ面白いよ。音楽はゴブリンだけど。
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