
映画「推理作家ポー 最後の5日間」が公開されるが、ポーの作家としての一番凄い点は、イギリス的なゴシックな文壇なぞが無いアメリカに「いきなり出て来た」所だろう。その意味では突然変異、後年のラブクラフトやキングなどは、時代背景を加味すれば遥かに分かり易い。
ポーと比較するのも色んな意味で僭越かも知れないが、アメリカン・ハード・プログレ全盛期の時代に、「いきなり」出て来た米国シンフォニック・ロック・グループがコレ。77年作。インスト中心のテクニカルな楽曲、メロディーはヨーロッパ的な陰のあるもので、アメリカンな要素は微塵も見られない。本国で最初はプログレではなく「フュージョン」で売られていた、と云うのも頷ける。翌年に2nd「クラフティー・ハンズ」を発表、これも大傑作だが、メジャーとの契約更新ならず、その後インディーから未収録曲集が3枚、ライブ盤が1枚、再結成盤が1枚出ている。メンバーのキット・ワトキンズ(Key)はキャメルに引き抜かれ、ピート・バーデンスの後任として活躍。音楽性を考えれば納得か。
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