98年、ジャズのビッグ・バンド形式のパリ・ライブ。フィルはブランドXしかり、ジェネシスやソロ活動が停滞した時に、いちドラマーに戻って全く違う音楽に走り、自分を活性化させる癖がある。これはソロ活動が一段落した時点で、「ススーディオ」「アゲンスト・オール・オッズ」等の自作曲、ジェネシスの「ザッツ・オール」「インビジブル・タッチ」等をビッグ・バンド・カヴァーし、ヨーロッパをツアーした時のもの。いわゆる「旦那芸」として、古参のファンには片付けられているが、ジャズ畑の名手を「金に任せて」集めただけあって、そのスイング感はなかなかのもの。特に「ロス・エンドス組曲」は、プログレッシブ・ジャズとも言うべき、他に類型の無いユニークな音楽になっている。ジョージ・デューク(p)、ジェームズ・カーター(ts)、ジェラルド・アルブライト(as)らも参加。「マイルストーン」「ピックアップ・ザ・ピーシーズ」等の古典曲も、楽しそうに演奏している。しかし、ビル・ブルーフォードもそうだが、この時期の人たち、みんな一度は「バディ・リッチ」になりたがるんだよなぁ。一度ちゃんと系統立てて聴いてみようかね。
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