この男、三つの顔がある。
まずはキャメルのベーシスト、コリン・ベース。81年作「ヌード」から現在まで、アンドリュー・ラティマーを支えるキャメルの副社長。プログレ・ファンにもアピールする、歌ものの傑作ソロ・アルバムが3作あり、キャメルの曲を中心としたソロ・ライブも行なっている。また、現キャメルのドラマー、デニス・クレメントらと、RBCと云うジャズ・ロック・バンドの活動を併行して続けている。と、ここまでがプログレ・ファン向けのマーケティング。
次にバルカン半島の寒村シェゲレリ出身(と云う設定)の無国籍音楽集団、3ムスタファ3。中近東風の、フェイク・ワールド・ミュージックを演奏するバンドで、6枚のアルバムは全て日本盤も出ており、来日もしている。ここでの名前はサヴァ・ハバス・ムスタファ。(全員ムスタファ姓の従兄弟、と云う設定)
ところがこのムスタファ、何故か21世紀以降インドネシアに接近し、ジュガラ、ジャイポンガン等のインドネシア音楽に傾倒、サヴァ・ハバス・ムスタファ単体の名前で、2枚のジャバ・ミュージックのアルバムを発表、以降数え切れない位のインドネシア音楽のアルバムに参加、近年はアジアン・ミュージック・フェスのプロデュースなんかも行なっている。
恐ろしいのはこの3つ、全部「併行して」行なっていること。頭ごちゃごちゃにならないのか。プログレ界でもこんな經歴の人、他にいないのでないか。それとこの人、本名はどっちなんだろう。もしかしたら「コリン・ベース」の方が、英米圏向けの芸名か?
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