どっかで聴いた事のある名前だったので、何となく購入してしまった。ジャケットにいるのは「みんなのたあ坊」かよ、懐かしいなオイとか思いつつ聴いてみたが、内容は英国人らしい牧歌的な歌ものアルバム。ジョージ・オーウェルの評論集「鯨の腹の中で」にインスパイアされているらしい。これの何処が・・・?と考えて、ようやく気付いた。シド・バレットが最後に取り組んだバンド、スターズのメンバーだったのだ。
この人はベース担当、他のメンバーはドラマーに元ピンク・フェアリーズのトゥインク。30分ほどのラスト・ギグがブートレグで出ているが、延々とインプロビゼーションを続ける内容だった。シドが狂気の人、と云うのは多少神格化するための言葉のあや、みたいな所があって、ドラッグの後遺症は残っていたにせよ、作品を創る意欲と云うのは最後まで残っていたのではないか。
サード・アルバムをバンド形式にしたのは、個人では自作をまとめ切れず、メンバーからのフィードバックを期待しての事なのだろう。このベーシストの癒し系の個性が、シドの才能とどう絡み合ったのか、デモ・テープが残っているなら聴いてみたい気がする。
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