残酷!音楽怪獣プログレ    忍者ブログ

残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ウイリアム・シャトナー「ポンダー・ザ・ミステリー」



13年作。そしてつい最近出た3枚目。そしてやっぱ来ましたプロデュースがビリー・シャーウッド。プログレ・オールスターズの参加は今回は控え目で、その代わりそれ以外の演奏は全てシャーウッド、全曲の作詞:ウイリアム・シャトナー、作曲:ビリー・シャーウッドのクレジットはあるが、リード・ヴォーカルは殆どシャーウッド、シャトナーはそのバックでナレーションめいた歌詞の朗読をボソボソやっているだけ。つまり、いつものシャーウッドのプロデュース盤と同じく、実質的には「シャトナーが参加しているビリー・シャーウッドの新譜」になってしまっている。DJのジム・ラッドと組んだシャーウッドのソロがあったが、感触的にはアレに近いか。それでも当然シャトナーの前作のアルバムよりは聞きやすく、こう云う形でしか「シャトナーのソロ」は救い様がない事が判る。大物俳優の扱いって、やっぱ難しいよねぇ・・・の一席どすえ。
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ウイリアム・シャトナー「シーキング・メジャー・トム」


11年作。クレオパトラ・レーベルから、『スター・トレック』のカーク艦長で有名なウイリアム・シャトナーのソロ・アルバムが発表された。1枚目は朗読のCDだったが、この2枚目はこのレーベルの必殺技、クラシック・プログ・ロック・オールスターズの演奏で、シャトナーが宇宙に関連したロックの名曲を歌いまくる2枚組。ボウイの『スペース・オディティ』、パープルの『スペース・トラッキン』、ホークウインドの『シルバー・マシーン』等々、バックにはリッチー・ブラックモア&マイケル・シェンカー、スティーブ・ハウ&リック・ウェイクマン、ジョン・ウエットンにエドガー・フローゼその他、お馴染みの豪華な面々。問題は、これらの曲をリード・ヴォーカルで歌える位なら、シャトナーは役者ではなく歌手になっていただろうと云う現実(;_;)。単なる「スナックでキーの合わない歌を歌いまくる上司のカラオケ」と化しており、多分スタ・トレのファンでもこの歌声を長時間聴き通すのは難しい、かなりの珍盤になっています。「どの歌が一番ひどいか?」をファンの間で議論する位には、役に立つと思います。(個人的には、一番スゴイのは『ボヘミアン・ラプソディ』(^_^;)。)

ロンブラ・デッラ・セラ「暗闇の影」


12年作。モルト・マカブレに続く、伊ホラー・サントラのトリビュートバンド、第一作目。ホストソナテンやムーンガーデン等、現在のイタリアの若手プログ・バンドの面々が参加している。マカブレは主に80年代の映画だったが、こちらの好みはちょっと前の時代の60年代~70年代のサスペンス、ジャーロ(殺人鬼)もの。エンリコ・シモネッティの『ガンマ』、他にもリズ・オルトラーニ、ベルタ・ピサーノ等の楽曲を演奏。日本未公開の映画が多い為、タイトルを書けないのが残念。全てメロトロンと変拍子を多用した長尺物のプログレ・ナンバーにアレンジされており、ゴブリン以前のイタリアン・ホラーの音楽性がいかにメロディアスであったかが逆説的に判る意欲作。『ブルー・シャドウズ』は同名のスプラッター映画がビデオで国内発売されているが、年代的に違う映画の模様。

ザ・フー「四重人格」



73年作。言わずと知れたザ・フーの『トミー』と並ぶコンセプト・アルバムの傑作。モッズ族のジミー君の♬若さゆえ~♬の悩み、苦しみを描いており、そのパーソナルな響きは凡百の「コンセプト・アルバム」と比べ生々しく、青春を経験した人なら誰でも共感出来るものとなっている。改めて聴いて見るとパーソナリティが4つある、と云う構成は意図した程決まっておらず、楽曲も同型の展開が多いが、『僕は海』で自分の内的世界に引きずり込まれて行く様な幻想性、『少年とゴッドファーザー』での内なる自分の野生との対話、『ザ・ロック』~『愛の支配』で締める歌詞世界は恐ろしいほど深く、一度ハマったら二度と出て来れない程、完成度が高い。意外だが、同年代の独ノヴァリスの同テーマのアルバム『過ぎ去りし夏の幻影』を連想してしまった・・。『さらば青春の光』として映画化もされており、最後で自殺に失敗してしまったジミー君のその後を知りたい人は『ブレイキング・グラス』も観るべし。芸能界に就職し、今度は若手ミュージシャンに振り回されるマネージャー役のジミー君が見れるよ。(いや、主演が同じフィル・ダニエルズと云うだけなんだけど(^_^;)。)

レヴィン・ミンネマン・ルーディス「LMR」



13年作。元クリムゾンのトニー・レヴィン(b)、現UK/アリストクラットのマルコ・ミンネマン(ds)、元ドリーム・シアターのジョーダン・ルーディス(Key)による、新旧プログレ・オールスター・トリオ、第一作目。従来のレヴィン主導のスティック・メン等のユニットは、どうしても後期クリムゾン寄りの超絶変拍子リズム系音像から脱却出来なかったが、今回はキース・エマーソンを敬愛し再三『タルカス』を演奏しているルーディスが加わりEL&Pスタイル、メロディアス且つクラシカルな味付けが加わり、頭一つ抜ける事に成功している。面白いのはルーディスとレヴィンの指向する音楽性がせめぎ合い、凄く乱暴に言ってしまえばEL&P派とクリムゾン派の対立が程良い緊張感を維持している点で、これがこの作品を傑作としている、大きな要因となっている。ミンネマンは両対応出来るミュージシャンなので、その時々でニュートラルに対応。何かこの辺もカール・パーマーぽくって面白い(^_^;)。来日するんだろうなぁ、多分。

ハル「クルスク」


13年作。ジャップス・テクニカル系プログレッシブ・ロック・バンド、ハルの6年振りの新作。新月とメンバーが被っているが、実際はU.Kとエイジアみたいな関係。1943年、ヨーロッパ戦線でのドイツ軍 Vs.赤軍の「クルスク大戦車戦」をベースにしたコンセプト・アルバム。破壊的なキーボードとオルガン、ガシガシ進んで行くバイオリン、リズムはホルストの『火星』か?かなり大味かつ旧式なタイプのインスト・プログだが、変にテクノやエクスペリメンタル・ロックに接近されるより、展開が読めて安心して聴ける、と云うメリットもある。もっと日本のプログ・バンドも色々あって良いと思う。インディーズ・レーベルからの発売だが、別にメジャー・フィールドを狙っていない、完全にファン層の閉じられた音楽。嫌いじゃない。

タンジェリン・ドリーム「ロスト・イン・ストリングス Vol.1」



13年作。TDの得意技、コンピレーション集の新譜、2枚組。しかもVol.1。表紙に出ている通り、総帥エドガー・フローゼ(Key,Synth,g)の「ギター・ソロ(ギター・シンセ含む)」のある、過去曲を纏めたアンソロジー盤。80年代から現在までのアルバムから幅広く選択されているが、『シーフ』を始め、サントラ仕事からの曲が多く収録されている。これは意図的なもので、ライナーによるとそろそろこの辺の作品が入手困難になって来たから、と云う理由らしい。相変わらず商売上手なこって・・・(^_^;)。VoL.1との事だが、他バンドのカヴァー曲を演奏する『アンダーカバー』も3年前にVol.1が出たきり未だに続巻は出ていない。まぁ、気長に待ちますか。それにしてもフローゼ、顔が痩せたなぁ。病気とかじゃなきゃ良いけど大丈夫か?

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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