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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ピーター・バンクス・エンパイア「ザ・マーズ・テープス」


79年作。元イエスのピーター・バンクス(g)は72~73年にプログレッシブ・ロック・バンドのフラッシュの解散後、愛妻シドニー・フォックス(Vo)とエンパイアを結成、73~79年に掛けて再三デモ・テープを作成し、レコード会社とのディールを得ようとするが惨敗、結果シドニーとも離婚する事態に陥ってしまう。エンパイアのデモ・テープは、90年代にワンウェイ・レーベルより3枚の発掘CDで発売されているがとうに廃盤。これはその3枚とは別に、メンバーのマーク・マードック(ds)所有の米マーズ・スタジオから発掘されたデモ・セッション・テープ。1曲のみバンクスのソロ絡みか、フィル・コリンズ(ds)参加。楽曲は基本「エンパイア・マークⅢ」期のものだが、AOR指向だった前CDとは違い、かなりジャズ・ロック、フュージョン寄りの演奏になっている。この路線だと当時のプログレ受難の時代だとキツいし、さりとて数曲入っているニュー・ウエイブ指向の曲だと今度はシドニーの声質が合わない。色々痛し痒しだったと思われる。イエス時代の『サムシング・カミング』、フラッシュ時代の『アウト・オブ・アワ・ハンズ』のカヴァーあり。
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ロバート・ドナティ「人喰族/食人帝国」


84/80年作。とうとうこんなモンまでリマスター版のサントラ登場。イタリアのキワモノ監督、ウンベルト・レンツィが後輩ルッチェロ・デオダートの82年作『食人族』の世界的大ヒットに触発されて作った人Xい人種映画の決定版が『人喰族』。アマゾンの奥地に分け入った白人の探検家連中が、現地の人Xい土Xに散々な目に合わされる話・・・ってまんまやないかーい。正直言って映画館でも観てる筈なのだが『食人族』とどっちがどっちか判らない、同じ話だし。『食人族』の音楽は伊サントラの巨匠リズ・オルトラーニを担ぎ出し、『世界残酷物語』風に優美に纏めてあるのだが、こちらは安手のポリ・シンセが全面を覆うB級ホラー感漂うBGM、良く言えば同時期のファビオ・フリッツィのゾンビ映画を思わせる仕上がり。以前に米盤で『サンゲリア』とのカップリングで発売された事もあり、作り手側がこの手の映画を似た様なモンと考えているのが良く判る。ボートラで80年作『食人帝国』のカップリング。こちらはガイアナ人民寺院事件+人Xい人種と云うキレキレの映画。BGMもまぁ、似た様なもんです。

マイク・オールドフィールド「ザ・スタジオ・アルバムス:1992-2003」


14年発表。かねてから噂のオールドフィールド、WEA移籍時代の全アルバム集、ようやく発売。昨今流行りの廉価版と言うにはちと高額なボックス。海外でも「一番つまらない時期を良い機会だからまとめ買い出来るボックス」とか、酷い事言われてます(^_^;)。一般的には低迷期と言われているが、当時はこの手の音楽がニューエイジ・ミュージックのカテゴリで飽和状態にあり、独自性を何処に求め、何処に活路を見出すかはプログレッシブ・ロック全体の問題だったと言えましょう。オールドフィールドの場合、何を思ったのか頼ったのは『チューブラー・ベルズ』としてのブランド・ネーム。この時期でも『Ⅱ』『Ⅲ』『ミレニアム・ベルズ』『チューブラー・ベルズⅠ(再演奏版)』と『チューブラー』シリーズ化で怒涛の連発。お陰で『チューブラー』以外のアルバムの売上がガタンと下がったのは自業自得と言えるでしょう。その辺も一応全部入ってるし、チル・アウト等のテクノな時代に対応した音楽を作ろうとしているのも判る。だけど、やっぱ今聴くと中途半端に古いです。ヴァージンに出戻ったオールドフィールド、今後の勝算はどうなのかなぁ。

パーシー・ジョーンズ、スコット・マクギル、リッチー・デ・カルロ「ザ・デビュー・アルバム」


07年作。て言うかアーティスト名長いよ、何かバンド名付けてよ・・・(^_^;)。元ブランドXのパーシー・ジョーンズ(b)の現行プロジェクトのデビュー作、国内盤が初登場。ジョーンズはブランドX解散後、当時のデジタル・ポップに対応したソロ・アルバム、同傾向のフュージョン・プログ・バンド、タンネルズを経て再編ブランドXへの加入と脱退、その後現在のこのトリオ・プロジェクトに至る。マクギルのハイパー・ギター・ワーク、デ・カルロのテリー・ボジオ張りのドラムを中心に組み立てたフュージョン・プログ、テクニカル・ジャズ・ロックで、とにかくサーカスの綱渡りの如き超絶演奏を売りとした作品。逆に言うとそれ以外のものを求めたユーザーには単に演奏が上手いだけじゃねぇかって気もするのだが、このレベルの演奏は他の現行バンドでは、ガスリー・ゴーヴァン率いるアリストクラットがタメ張れるかどうかだろう。バンドは2作目が傑作と評価され、間もなく3作目が発売される模様。

アンソニー・フィリップス「セイル・ザ・ワールド」


94年作。フィリップスは90年台以降、他のニューエイジ・ミュージックの作家同様、TV・映画のサウンドトラックの仕事が多くなる。通常映画のサントラ等は出版権が映像制作会社にある事が多く、この辺の仕事もCDが商品として出たり出なかったり。元同僚のトニー・バンクスは『サウンドトラック』と言う題名で、映画に使われた曲の再演奏版のアルバムを出したりなんかしている。このアルバムは94年のBBCのTVドキュメンタリーのサントラ、デジタル・キーボーディストのソロ・アルバムとしても出来が良く、当時番組が放送されていない日本でも国内盤が発売されていた。現行CDはジャケ写変更、リマスタリングで未発表曲2曲追加で再発したもの。ヨットが一隻だけのジャケ写は旧規格盤なので、中古で見かけても手を出さない方が良いでしょう。他にもフィリップスはスティーブ・ハウらと同様に、著作権フリーのライブラリー・ミュージックも手掛けており、こちらもヴォイスプリント社より2枚が発売されている。

アンソニー・フィリップス「スロー・ダンス」


90年作。恐らくフィリップスのメジャー・レーベルからの作品としては最高傑作の一つ。この時代に30分近い『パートⅠ』『パートⅡ』2曲のみで構成されるオールド・プログレッシブな大作、当時の流行りであるデジタル・シンセの音色がいきなりハープに変わり生楽器系の音の洪水が奔流して来る展開、カチッと構成された隙のない編曲、フィリップス版マイク・オールドフィールドとも言われているが、テーマやフレーズがクラシックの素養のあるフィリップスとアイリッシュ・トラッドが根底にあるオールドフィールドとは決定的に違い、試聴感は感覚的にかなり異なる。プログ・ファンは一度は聴いておくべきアルバムであり、特に『パートⅡ』後半のクラシカル・ギターから雨音のシンセに入れ替わる辺りの美麗さは何者にも代え難い。一つ不満があるとすれば、現行CDの失敗したカラーコピーみたいなジャケ写、これ、何とか成りませんかね?

アンソニー・フィリップス&アンドリュー・スキート「セブンス・ヘブン」


12年作。ジェネシスのメンバーは当初は「作曲家集団」が理想型だった様で、確かにトニー・バンクスが出しているオーケストラ作品とか、他のメンバーもそれに沿った航路で割りと活動している様な気がする。これはズバリ「フィリップスの作品をオーケストラで」がコンセプトの作品で、本人のギターもやや控え目、映画音楽等で活躍するアンドリュー・スキートを指揮に迎え、アディエマス等の女性歌手も参加、昨今のアメリカ映画のサントラ仕事の多い、プラハ交響楽団の演奏が収められている。これが、意外と良い出来。ビートルズやフロイドの曲を単にオーケストラ・アレンジして見ましたみたいなやっつけ仕事とは違い、オザンナ『ミラノ・カリブロ9』ニュー・トロルス『コンチェルト・グロッソ』等の諸作の様に、弦楽器の音と電子楽器が融合し、充実して聴けるものとなっている。フィリップスの曲が元々結構オーケストラ向き、と言うのもあるだろう。タイトルは『第七の天』、牧逸馬の遺作が同じタイトルでしたな。

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