先日、名作ミステリ映画のDVD「雨の午後の降霊祭」を見ていたら、キーとなるシーンで、よく判らない訳し方があった。これだと、どんでん返しが成立しない。原作も翻訳されてるのだが、読んでないのだろうか。思えば、昔の洋楽の対訳は、ときどきヒドいのが多かった。フロイドの「アーノルド・レイン」なんかは、「See Through Baby Blue」が、「薄けき青に光を映して」か何かと書いてあって、「はー、幻想的な歌詞なんだろうなぁ」とか思ってたもんである。よく考えたら下着泥棒の歌だよ。「スケスケ下着」って意味じゃねぇか。「葉巻はいかが」の「On Riding A Gravy Train」が「ひた走る血と急行列車」。直訳である。これはこれで良い感じなんだが、「大いなるハッタリ」って意味の熟語なんだよね。タイトルは「原子心母」って言う大傑作な訳があるのになぁ。特にコンセプト・アルバム系に被害が多く、クイーンやジェスロ・タルなんかも、対訳を読むとますます意図が解らなくなるものも多かった。やはり英語圏内のアートの一形態なのだから、ちゃんと原語を勉強して聴けと云うことなのか。最近はちゃんとした物も多いと思うのだが、再発の時は音質だけでなく、翻訳もリマスターして欲しいものである。
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