NHKの大河ドラマ「平清盛」で、サントラに使用された事により、今年急に知名度が上がったEL&Pの「タルカス」。この吉松隆氏のオーケストラ・バージョンはかなりの力作で、全プログレ・ファン必聴の出来だが、他にもこの名曲に魅せられた人は多く、数々のカバー・バージョンが存在している。国内からは黒田亜樹のソロ・ピアノ組曲「タルカス/展覧会の絵」と分かり易いカップリング。こちらも名演。成毛滋とフライド・エッグで、タルじゃなくって「オケカス」。海外に目を向けると、スリーでエマーソンとも組んだ事のある、ロバート・ベリーのメタル風カバーがある。これは6分位で、やや喰い足りない。そんな人にお薦めなのは、ドリーム・シアターのキーボード、ジョーダン・ルーディスのソロ・アルバム「ロード・ホーム」。何と「タルカス」23分完コピ入り。と云うか、このアルバム、これが演りたくて作ったんじゃあないの。他にも国府弘子さんのジャズ・カヴァー、イタリアの若手プログレ・バンド2バンドによるカヴァーなんぞも有る。原曲の、暗く湿気ったような曇天より、ぱぁっと陽光が差してどこまでも突き進む疾走感、これはどのバージョンでも十二分に表現されている。お好きな「タルカス」をどうぞ。
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