ようやく日本盤が出るらしい、イエスOB二人組によるコラボ作。スタジオ盤とライブ盤の2本立て。
プログレ大物二人の共演、と云うよりも、近年のジョン・アンダーソンのソロ・ライブの演奏の部分だけ、リック・ウェイクマンが生ピアノでつけていると云う感じ。ウェイクマン、最近何だかだいぶ枯れている。
しかし、現在のプログレ大物のソロ作だが、こんな感じでアコースティックで簡素に作っている事が多い。一つには昔のように大手レコード会社のバックアップが取れず、自主制作に近い形で作品が製作されているからだろう。当然、資金や時間の掛かるコンセプト・アルバムや、大物ゲストの存在は敬遠され、まるで昔のジャズ・レコードの様に、互いに演奏技術だけを持ち寄った、私的なコラボレーション作ばかりになっている。もはや70年台のロック・ビジネスの在り方が現在では有効ではない、と云うのも解るが、音楽もエンタメの一種である以上、低予算の映画みたいなのばっかになっているのも寂しい状況ではある。
これからは大手を通さない、ミュージシャンが自分のサイトからダウンロードする音楽が主流になって行く、と発言している評論家の方々も多いが、この辺の予算と作品の規模の折り合いの問題がある限り、かなり前途は多難なのではないか。YoutubeやiPhoneが登場して、映画そのものはどれだけ面白くなっただろう。いつの時代も同じだが、ビジネスとアート、どちらを重要視するかと云う問題には、向かい合うしかないのではなかろうか。
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