
13年再発。ブライアン・ホッパー(sax,Key)は弟の故ヒュー・ホッパー(b)と共に数多くのカンタベリー・バンドの創設に立ち会い、90年代後半から個人所蔵のライブ・テープを、英ヴォイスプリント社からアーカイブ盤として怒涛の勢いでCD化し始めた。当然60年代のカセットテープ録音なので殆どが音質劣悪、資料的な価値を除けば到底商品として成立し難いものばっかで、ファンからは「考古学」と揶揄される出来。その各バンドの黎明期の録音を集めたシリーズが、今回4枚組のボックス・セットとして国内盤がMSI社から再発。ある意味、プログレ・ファンでソフト・マシーン、キャラバン、ロバート・ワイアット、ヒュー・ホッパー、その他の新譜も旧譜も全部聴いてまだ聴きたい、と云う人向け。でないと、学者向けの専門書みたいなもので、全く意味を成さないだろう。この音楽からスウィンギン・ロンドンともまた違った、港町カンタベリーの60年代の息吹を感じ取れる人だけが聴くべき作品。今回解説の日本語版全訳が付いており、これが一番面白いかも。
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