
エニドの、デモ・テープ、レア・テイクで綴る裏ベスト、ビートルズで言うと「アンソロジー」。当然全アルバムを聴き終わった後の脚注、サブ・テクストなのだが、リマスターしてあり音質も悪くなく、エニドの創作過程の窺い知れる面白いアルバムとなっている。本来はVol.1~Vol.10まで発売の予定だったが、Vol.3で挫折。どうしてプログレ畑の人たちは、こうも出来ない約束をする人が多いのか。日本盤紙ジャケCDはVol.1とVol.2の全曲のカップリング。Vol.3は大作「ファンド」の再録音バージョンのみの為、再録音バージョンの1stにボートラで入っている。このアルバムは1stのデモ・テイク、「ファンド」のデモなどが収録されているが、予想通りスタジオ盤と細部以外はそんなに変わらない。ジャム・セッションの中で曲を作って行くバンドではなく、やはりクラシック出身者が多い事から、きちんと譜面を書いて演奏に臨んでいるのだろう。シングル向けの曲もあり、エニドの「ポップ・サイド」も楽しめる、興味深い作品。
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