残酷!音楽怪獣プログレ    忍者ブログ

残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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パブロフズ・ドッグ「ザ・ペキン・テープス」


73年作。パブロフズ・ドッグはプログレ不毛の地のアメリカに忽然と現れた最重要バンド、カントリーやブルーグラス等、米国のトラッドをプログレに取り入れた大物だとカンサスがいるが、その立ち位置とも異なるネイティブ・アメリカン出身のデヴィッド・サーカンプ(Vo)の特徴的なヴォーカル、7人編成で繰り広げられるテクニカルな「泣きのプログレ」。ビル・ブルーフォード(ds)参加の2枚目のアルバムを出した後に一旦解散、メンバーはその演奏力を買われ、REOスピードワゴン、スティーリー・ダン等へ散って行く。これは所謂発掘盤、75年のファースト以前の、73年演奏のデモ・テープをリマスタリングして発売したもの。既に楽曲、アレンジとも出来上がっており、このバンドの向かう先がはっきり見えていた事が判る一枚。同時期のライブも4曲ボートラで収録。どうでも良いけど、ジャケットのワンコ、毎回違う種類だよねぇ。
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ロバート・ワイアット「デファレント・エブリ・タイム」


14年発表。ロバート・ワイアット(Vo)、孤高の45年の歩み、所謂「オールタイム・ベスト」が2枚組で登場。1枚目は70年代前半のソフト・マシーン、マッチング・モウルでリード・ヴォーカル兼ドラマーとしても活躍していた時期、そして転落事故により下半身不随となり、フロイドのニック・メイスン等の助力によりシンガーとして再出発したドルリー・レーン劇場での初ライブ、80年台以降の、仙人とも見紛う風貌で私的な世界を謳い上げて来たソロ・アルバム群から作品がチョイスされている。一時的に左翼思想に傾倒していた時期の作品は、ほぼオミット。2枚目はその飄々とした「声」を買われ、異色のミュージシャンとコラボした歴史。ジョン・ゾーン、ビョーク、フリー・ジャズのマイク・マントラーと、やはりロックから少しはみ出た音楽家との競演が光る。実質「引退記念ベスト」としては2枚組とは少ない気がするが、この慎ましさも含めてワイアット節。お身体に気を付けて、長生きして下さいな。

ピンク・フロイド「永遠」


14年作。ギルモア本人の語る様に、この作品は「リック・ライトの『対』セッションで残された音源を加工した、アンビエント・ミュージック」。最後の一曲以外全てインストゥルメンタルで、ライトの追悼盤としてのみ存在が許されるもの。ビートルズやザ・フーとは異なり、ウォーターズが存命であるから残りの3人の演奏が入ってなければ「ピンク・フロイド」名義は法的に認められない。その為にこう云う形態になったのだろうが、フロイド名義の最終作品としてどれだけ頭の中でご祝儀点を付けられるか、それによって評価は人によって全然違って来るだろう。サード・ソロの時点で感じたが、もはやギルモア御大に新曲を作れる体力はない。私?このアルバムには何年ぶりかのギルモアのギター・ソロがあり、メイスンのドタバタ・リズムがあり、ライトの♬ホア~と言うキーボードがある。それ以外に何が必要?1000回でも聴ける。

ザ・ラットルズ「生焼けライブ」


14年作。ザ・ラットルズはモンティ・パイソンの音楽担当、エリック・アイドルとニール・イネスが作り上げたビートルズ・ヒストリーのパロディ映画『オール・ユー・ニード・ユア・キャッシュ』に登場するパロディ・バンド。しかし、両者の音楽的才能と相俟って、ビートルズのパロディとしては随一、と評価も高い。ファーストが映画のサントラ、セカンドがアンソロジーのパロディ『アーケオロジイー』に続いて、3枚目にとうとうライブ盤が登場。しかも元キャメルのミッキー・シモンズ(Key,Org,P)がビリー・プレストン役で参加。ラットルズとしてのオリジナル・メンバーもベースとドラムの二人で、何もそこまで真似しなくても(笑)。40分弱のライブだが、割りと硬派な演奏でくだらね~歌詞を楽しげに歌っており、コミック・バンド扱いにしておくのが勿体ないかも。『ヘルプ!』のパロディ『アウチ!』も演って欲しかった。Web販売のみだったニール・イネスのシングル・バージョンもラストにおまけ収録。

イット・バイツ「ホール・ニュー・ワールド」


14年発表。前項ブランドXと同時発売。やはり第一期イット・バイツ、ヴァージン時代の「全部入りボックス」も登場。こちらはファーストから解散までの4枚を4枚のCD、とおとなし目に見えるが、実はそれぞれCDの時間一杯にレア・テイク、デモ・バージョンがてんこ盛り。プログレ受難の80年代に、真っ先に次世代シンフォニック・ロックの「ポンプ・ロック」として英国で頭ひとつ出て来たのはマリリオンとこのイット・バイツ。ピーター・ゲイブリエル時代のジェネシス・ライクなマリリオンに比べ、こちらはハード・プログレ、ヒットチャートも狙える音楽性でありながら高度なプログ的演奏、と同時期のエイジア・ライクな戦略で日本や欧州では人気があったが、何故か本国では不遇。そのまま続けていればクイーンの様に米国から人気が出たのかも知れないが、3枚目の時点でリーダーのフランシス・ダナリー(Vo,g)が脱退、4枚目に解散ライブを出して第一期は終了。その後ダナリーがメインストリームで売れ、ソロ活動の一方、他メンバーはジョン・ウエットン・バンド等で糊口を凌いでいたが、06年にウエットン・バンドの同僚のジョン・ミッチェル(Vo,g)を迎え再結成、現在も再び活躍中である。

ブランドX「ニュークリア・バーン」


14年発表。最近流行りの廉価版「全部入りボックス」、いやぁ、メインストリームのロックが出切っちやったので、ようやくプログレ陣が沢山出る出る(^_^;)。先日のマイク・オールドフィールドに続き、今回はヴァージン時代の第一期ブランドXが発売。ファーストからの6枚目までを4枚のCDに凝縮、時間合わせにBBCセッションを少々。フィル・コリンズ(ds)もメンバーだった、超絶演奏のサーカス、プログ・フュージョンの草分け的存在。この手のバンドがメジャーのレーベルからロックとして発売され、しかも売れてしまう道筋を作ったのが一番の功績か。やはり最初の『異常行為』、『モロッカンロール』辺りはスタジオ・ミュージシャンに出戻りたくないメンバーの思惑やら熱気が合致して、音楽と言うよりトライアスロンを観ている様な激アツな演奏が目白押し。ライブ盤『ライブストック』のインプロヴィゼーション大会も凄まじい。このボックス以降の移籍後の作品は、現在ゴンゾ・マルチメディア社から全てリマスタリングされて発売中。

アンソニー・フィリップス「ミッシング・リンク Vol.1~3」


79~97年作。元ジェネシスのアンソニー・フィリップス(g,Key)のTV・映画のサントラ仕事、ライブラリー・ミュージック、その他の依頼案件音楽の集大成版、3枚組で登場。まず1枚目は『フィンガー・ペインティング』、79~89年のTVのドキュメンタリー、映画音楽のベスト盤。題名通り、小品のみで構成された楽曲集なので、画家のデッサン集と捉えるのが悪くないかも。2枚目は『ザ・スカイ・ロード』、72~94年と広範囲に渡る未発表及びデモ・バージョン集。ライナーにフィリップス本人の細々とした解説があるので、どのアルバム用に制作されたかが判る親切仕様。3枚目は『タイム・アンド・タイド』、今度は92~97年に渡るサントラ仕事のベスト盤。こうして時代を横切って曲をランダムに並べてもそのまま「素描集」として聽け、フィリップスの音楽的スタンスが常に変わらないのが良く判る。マニア向けだが、単体でも訴求力の充分にある音楽の詰まった佳作の作品集。

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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