残酷!音楽怪獣プログレ    忍者ブログ

残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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レヴィン・トーン・ホワイト「レヴィン・トーン・ホワイト」


イエスのアラン・ホワイト、主張は少ないがかなり器用なドラマーなのだと思う。「トーマト」→「ドラマ」→「ロンリー・ハート」なんて、内容に合わせてリズムを変えているんで、知らない人だったらドラマーが3人とも違うんだよ、と言われたら信じるだろう。流石元プラスティック・オノ・バンド、「イマジン」のドラマー。
さて、話は変わるが、ビル・ブラフォード次長が突然引退しちゃったんで、困っているのがトニー・レヴィン課長。看板商品の一つ、超絶リズムのインスト・ソロ・アルバムが作れない。そこで声を掛けたのがアラン・ホワイト。これ、昔の経緯を考えたら、頼む方も頼む方だ。いきなり協力会社がなくなっちゃったら、困るのは判るけどさぁ。しかし、この二人何も考えていないのか、更に呼ばれれば何処にでも駆けつける暮らし安全クラシXン、じゃなかった「ギターを持った渡り鳥」デヴィッド・トーンも含めて、作っちゃったよこんなアルバム。いや、ホワイト、見事な「ビル・ブラフォード」振りです。長州力と長州小力位そっくり。考え様に因っては、彼のキャリア上最もテクニカルな仕事と言えるかも知れない。
だけど、この新譜、余り評判にならないのは、聴く前からどんな音像か判ってしまって、バンド・リーダーのレヴィンのコンセプト・メーカーとしての弱さが露呈してしまっているからでしょうね。いっそのことやはり暇々してるエイドリアン・ブリューと組んで、21センチュリー・シゾイド・バンド・マークⅡでもやって見たらどうだろう。
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グレアム・エッジ・バンド「キック・オフ・ユア・マディー・ブーツ」


ドラマーのソロ・アルバム、と云うのは、一癖付けないとちょっと難しい。メタル系なら、コージー・パウエルみたいに正攻法で爆音ドラムで攻める事が出来るし、キース・ムーンみたいにソロ・アルバムと宴会の区別が付いていない人もいる。
ではプログレ系ではどうか、と云うと、マニ・ノイマイヤーやビル・ブラフォードみたいに、超絶テクでインスト・アルバムのタイプ、もう一つは花形役者を別に立て、歌ものでリズム・セクションに徹するタイプ。このアルバムはムーディー・ブルースのグレアム・エッジ(Ds)の初ソロだが、パターンとしては後者。ジャケ絵はムーディーズそのまんまだが、音楽性はだいぶ違い、エイドリアン・ガーヴィッツ(Vo,G)が主役のハードAORアルバム。但し後年のガーヴィッツ・アーミー等の青写真、とか考えれば、プログレ好き的には余り美味しくないが、AORファンとしては買いかも。同路線の2nd「パラダイス・ボールルーム」も翌年発表しているので、本人は気に入っているみたいだね。

ジーブストーン「1+1=OK」


99年結成のフィンランド産プログレ・バンド、2010年作。海外のサイトでもサイケデリック・ロック、ハード・ロックに分類される事も多いのだが、むしろ「70年台嗜好」のテクニカル・プログレ・バンドと考えた方が良い。
ハード・プログレと呼ぶにはかなりポップであり、明るめのノリの良い曲にプログレ風味がふりかけてある、と云う感じ。北欧メタルみたいに重くなく、アレンジのセンスの良さとメロディーで勝負しているのには好感が持てる。5曲目「ホット・サマー・ファン」はなかなかの名曲。タイプは違うが、最近のビリー・シャーウッドの諸作に感触は似ているか。好盤。Youtubeで試聴して、iTunesで好きな曲だけ購入する、と云う今時の購入方法が合ってそう。

バッジー「インペッカブル」


ジャケ買い、のコレクターって割りといるようだ。まぁ動物好きは何処の世界にもいて、「猫ジャケ」と云うのは特に人気が高い。私は両方飼っていたので犬猫どっちも好きだが、世の中的には猫好きの方が多そう。ジミー・スミスの「ザ・キャット」、ジョン・コルトレーンとトミー・フラナガンの「キャッツ」、ホット・ブラッドの「怪傑!ソウル・キャット」(CD化希望~)、サザンの「タイニー・バブルス」と、枚挙に暇がない。何でもかんでも猫ジャケにしてしまう、「Kitten Covers」なんてサイトもある。バッジーは60年台から活躍している現役バンドで、通常はハード・ロックに分類されるのだが、畝るヘンテコ・ギターに奇妙にハイトーンボイスのヴォーカル、国内では人間椅子がカヴァーしてたりするし、プログレ好きが聴いてもそんなに違和感はない。それの7枚目のアルバムがこれ。この猫、格好いいなぁ。「イケメン猫ジャケ」のランキングがあったら、ベスト1に推薦しても良い位。ポーの「黒猫」をベースにしたプログレあれこれ、なんてネタもあるが、また別の機会に。(=^・^=)

クリス・バーバー「メモリーズ・オブ・マイ・トリップ」


プログレに限らず、ロック系のCDを集めていると、ゲスト参加しているその1曲が欲しくて、変なCD買っちゃう事ってありませんか。ツェッペリンを集めている人やリッチー・ブラックモアのファンの人、ロード・サッチの変なロックンロールCD、大抵1枚位持ってるでしょう。(この人、「貴族キャラ」を演じていると思ってたら、本当に貴族だったらしく、近年は議員様で自分の政党の幹事長らしい。大丈夫かイギリス?)
イエスのファンだったら、ジャズのエディ・ハリス(「フリーダム・ジャズ・ダンス」の作曲者)の、「エディ・イン・ザ・UK」持ってるのではないかな。何せ初期イエス・メンバー総出演。同じように、クリス・バーバーはこの道60年(!)のトロンボーン奏者、ロック系のミュージシャンと絡む事も多く、このCDは有名ドコロとの共演を集めたアンソロジー。クラプトン、マーク・ノップラー、ヴァン・モリスン、錚々たる名前が並ぶが、このブログ的にはB-3「ロック・キャンディ」。66年のマーキーでの演奏で、オルガンにキース・エマーソン、ベースにリー・ジャクソン。ナイス前夜のエマーソンの演奏が聴けるのは、公的にはこのCDだけだろう。さて、この1曲のためだけにこの2枚組が買えるか?!マニアと一般人の分かれ道である。

時代とプログレ


このブログを続けるに当たり、今まで聞いた事のないプログレ・バンドのアルバムも随分聴いてみた。しかしながら、そう云う作品は、あまりこのブログでは取り上げていない。何かを書くための情報量が不足している、と言うのもあるが、共感が出来ないのである。感動があまり無い。同時代ではないから、こちら側に受け入れるエリアが不足している。古い映画や名作と言われる小説では、そんな事はなく、現代の視点から見た評価、と云う手が使えるが、ある意味ヴィンテージ・アートであるプログレでは、その時代の標準音楽を基準として考えなければならず、この手法が使えない。改めて、音楽と云うジャンルの双方向性の強さを認識した次第。そう言えば、グレッグ・レイクが現在やっているライブ・ツアーは、この辺りをテーマにしていると聞く。来日してくんないかなぁ。

V.A「ワンダラス・ストーリーズ」


更にコンピネタの続き。現在も販売しているCDで、プログレ・コンピの決定版は何、となると、2010年にユニヴァーサルから発売されたこの辺でしょうねぇ。大手から発売されたので、英米圏のメジャー・バンドは殆ど網羅されている。4枚組のボックス・セットと、2枚組のアブリッジ版があり、それぞれの編集も割りと良い。いわゆる図書館や学校の音楽室に置いてある、「クラシック大全集」とか、「邦楽大全」のプログレ版、と云う気もするが、解説本も付いており、もしも将来プログレが音楽の授業で教えられていたら、副読本として使える出来。敢えて言うなら、あまりに教科書的なので、プログレ好きが買うの?てな所だけど、これは普段プログレなど聴かない、他の音楽ファンを購買層と見たモノだろうね。

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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