14年作。現在もクリムゾンでツアー中のトニー・レヴィン(b)、兄のジャズ・ピアニスト、ピート・レヴィン(P)との共演作が登場。全体が新曲だが、50~60年代のビバップ・ジャズをリスペクトした楽曲で占められている。一曲のみクリムゾンの『待ってください』ジャズ・バージョン。トニーもいつものスティック・ベースからアコースティック・ベースに持ち替えての参加。と云うより、ピート人脈のジャズ・カルテットにトニーがゲストで参入の形。ジャケットやライナー、CD盤面まで昔のジャズ・レコードを真似た体裁になっており、企画としては派手では無いが成功した方か。トニー・レヴィンは最初のソロ・アルバムがツアーで回った各国のミュージシャンとの共演作『ワールド・ダイアリー』である事から明白な様に、コラボ相手との相性に因って作品の出来がかなり左右される。ソロ・キャリアも長い割には、その辺が未だにスタジオ・ミュージシャン然としてしまっているのが弱点。演奏技術が極度に高い人にありがちなパターンで、今後も「誰」と共演するかでアルバムの出来が左右されそう。暫くはクリムゾン一筋かな?
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