83年作。スティクスのプログレ時代の作品としては「クリスタル・ボール」「古代への追想」の2大傑作があるのだが、メジャー路線に転向してから、いきなり出して来たコンセプト・アルバムがコレ。♫ドモアリガットゥミスターロバット♫で有名だが、ストーリーはロック・ミュージックが迫害されている未来世界で、キルロイと名乗る伝説のミュージシャンが革命に乗り出す、と言うもの。コンセプトの底の浅さ、また1枚ものゆえのストーリーの解りにくさが指摘され、プログレ・ファンからは評価が低い作品だが、いやいや「Tommy」だって「ザ・ウォール」だって、そんなに複雑な話じゃないですよ?当時、このアルバムは全曲MTVを作り、1曲ずつ公開して行く、と云う戦略が取られ、そのビデオを見ればストーリーも理解しやすいし、面白い。つまり従来映画とかで行なっていたメディア・ミックスを、MTVでやって見ました、と言った戦略が失敗しているだけで、その意味では音だけ聴いても完結しない作品なので、単体での評価は片手落ちになる可能性がある。難しいと思うが、当時のMTVをDVDで付けたスペシャル・エディションでも、出してくんないかな。
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