14年発表。米テキサス出身のカメレオンは73~78年まで活動し、ディールが得られなかった不遇のアメリカン・ハード・プログレ・バンド。これはメジャー・レーベルへの応募用とかで作成された一連のデモ・テープを、一枚のCDに纏めたもの。一曲目からいきなり「ド」が付くほどのイエスっぷり、ヴォーカルはアメリカン・ロック風だがリズム・セクションのベースのゴリゴリ感、キーボードのトニー・ケイっぷりは恐らく同時期のスターキャッスルを越えている。恐らく本家イエスの『俺達にはチャンスも経験もいらない』が元ネタだろうけど、『こわれもの』以前のイエス・フォロワーと云うのはなかなか渋くて宜しい。恐らくオーディション用の為、その後はツェッペリン『移民の歌』風、クイーン『オペラ座の夜』風、マハビシュヌ・オーケストラばりのバカテク・インスト、とバラエティ豊かな楽曲が続き、かなり器用な連中であった事は判るのだが、一枚のアルバムとしては聴きにくく、まるでアル・ヤンコビックのパロディ作品でも聴いている気分になってしまう。あくまで背景を理解して夭折した作家の作品、を想定して聴くべきなんでしょうね。
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