過去に大手から出したアルバムが廃盤のため、現在のレーベルから再録音して再発する、なんてバンドも多くなってきている。バンコ、タンジェリン・ドリーム辺りは最早お家芸であり、マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」シリーズもこれに近いのではないか。そんで「現代のクラシック音楽をロック・バンドの形式で演奏する」エニド、この人たちは1st,2ndからして再録音盤を出しており、しかもオリジナルと曲順が違ったり、新曲が追加になってたりする。殆ど別物である。おかげでマニアは後でオリジナル盤が出ても買い直し、どちらが良いかをプログレ板で議論する事になるのでありました。中でも酷いのがこのアルバム、LP未収録の多いエニドのシングル盤のコンプリート化、ビートルズで言うところの「パスト・マスターズ」なのだが、まず最初に出たのが通称「白盤」。実は殆どが再録音、オリジナルが入っている曲も「盤起こし」で、針音がシャーシャーパチパチ、五月蝿いったらありゃしない。お前は40年代のチャーリー・パーカーのサヴォイ録音かよう(T_T)。次いで数年後に出た「青盤」、相変わらず再録音が多いが、リマスターしてあるため、音質は安定し、まぁ聴けるレベルにはなってきた。最後に日本盤の「紙ジャケ青盤」。初期のEMI音源以外は可能な限りオリジナル・ソースを使用、最新リマスターも施され、今の所は最良のバージョンとなっている。しかし、若しもEMI音源の収録が可能となれば、更にバージョン4が出る訳か。するとマニアの手元にはCDタイトルも曲目も同じだが、演奏内容が全部違うCDが4枚。うーむ、てめぇら、いい加減にしろ。
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