今年発表されたアルバム郡の中でも、出色の出来のコンセプト・アルバム。
ジャンル的にはプログレ・バンドではないが、ここに入れてしまおう。ブライアン・ウィルスンが何十年ぶりに帰って来たとか、色々あるみたいだが、何も情報を入れずにまっさらで聴いて欲しい。1950年台の、アメリカの、幸福な夏への憧憬・・・それはリスナー個々人の、幸福な季節への思い出とつながる。インスト「あの頃に・・」で始まり、音楽と人生の邂逅を描いた「神の創りしラジオ」へ続いていく。輝いていた懐かしい季節、それを豪奢なコーラス・ワークで染め上げていく手法は美しく、やがて終曲「過ぎゆく夏」に収斂させて行く。
このテーマ、プログレ・オンリーのバンドではなかなか作品としては少なく、(リア充が少ない為でしょうか・・・^^;)もっと出てきても良いのではないでしょうか。何も墓碑銘や暗黒だけが、プログレの「コンセプト」ではない筈だ。個人的には歴史的名作のコンセプト・アルバム「スマイル」よりも、こっちの方が好きです。