
プログレ系の音楽書籍と言うのは、楽譜集などを除いて発行部数も少ないし、再販もなかなかされない。やはりビートルズやストーンズに比べると、まだまだマイノリティーな様だ。ジャズなんか、新規CDより書籍の新刊の方が多いんじゃないのかなぁ。
そんな中、今月、奇跡の如く翻訳・発売されたのが、このビル・ブルーフォードの自伝。本人の言により、名前の表記が従来の「ブラッフォード」から「ブルーフォード」になっている。英国紳士たる本人の性格からか、ファンが少しは期待してるであろう、イエスやクリムゾンの「ウラ話」的なゴシップは控え目、非常にジェントル、且つミュージシャンシップに対する学究的な内容となっている。特に第6章のプログレに対する、現場からの考察は必読。
プログレに興味がある人よりも、ジャンルを問わず音樂家を目指している人、中身の濃い人生論を読みたい人には、かなり面白い内容なんじゃないのかな。リック・ウェイクマン、ニック・メイソンもかなりユニークな自伝を出版しているので、この辺りも何れ翻訳して欲しいね。