15年発表。ビデオ全盛時代には、無声映画にニューエイジ系のミュージシャンが新たに音楽を付けて新装発売する事がよくあった。リック・ウェイクマンの『オペラ座の怪人』なんかはこのパターンのアルバム化。『メトロポリス』も84年のジョルジオ・モロダー版の再編集映画が有名だが、何とタンジェリン・ドリームもビデオ時代に音楽を付けている。このビデオ、タンジェリンの公式サイトにも掲載されておらず、制作年度が判らない。その楽曲を数年前に、やはりタンジェリンの幻のサントラ『レジェンド』を再発したオレンジ・レーベルが今年アルバムとして発売。一聴してファンが気付くのは、タイトルこそ違え8割以上の曲が別アルバムからの再利用と云う事。(演奏やミックスは異なる)。サントラ『SFザ・ウエーブ』も半数以上の曲が過去曲の再利用だったが、こちらの割合はエドガー・フローゼのソロの曲まで再利用していて凄まじい。だからこそ当時アルバムが出なかったものと思われるが、このレーベル、次はタンジェリンのビデオ作品のサントラ『神曲・地獄編』の発売を予定しており、これも一連のソニック・ポエム・シリーズの再発なのかはたまた別作品なのか。タンジェリン海溝の奥底は闇より深い。