17年作。再発やら未発表盤が続くウェイクマン、久々の「スタジオ盤新譜」。とは言っても、『ライフ・オン・マーズ』他数曲は、以前にD.ボウィー追悼で出したシングル盤と同テイク。ロックの名曲を、ウェイクマンがピアノ・ソロでカヴァー、と云う判りやすい構成。『ヘルプ!』『天国への階段』『アイム・ノット・イン・ラブ』等、元が追悼盤企画であったためか、御大、今回は割りと原曲に忠実なアレンジで、そんなにハジケていない。クラシック・ロック以外は『サマータイム』『アメージング・グレース』『白鳥の湖』等もカヴァー。プログ・ファンは『サマー~』はキース・エマーソンのバージョン、『アメージング~』はクリス・スクワイアのバージョン、『白鳥~』は79年の『ラプソディーズ』収録のヘンテコ・レゲエ・バージョンと聴き比べてみるのも面白いかも。少し勘ぐってみると、この企画、実質のファースト・ソロ『ピアノ・ヴァイブレーションズ』(但し発表時は無記名)のリバイバルであり、50年近く隔てた今、同じ企画に挑むウェイクマンの老境の心境を考えると、なかなか感慨深いものがある・・・ような、気もする?
PR