自分の個性を出す、と云うのは難しい事だと思う。これは、ミュージシャンだけでなく、普通の仕事もみんなそうだろう。
このマスターマインド、90年にアメリカで結成されたバンドで、べレンズ兄弟によるMIDIギターによる録音、つまり最初期の「宅録プログレ」として話題になったが、つい最近中古100円バーゲンで見つけて4枚ほど購入した。最初に6th「エンジェル・オブ・アポカリプス」を聴いて、あぁシンフォニック・メタルか、失敗したな、と思いつつ次に2nd「ブレインストーム」、宅録の軽い音源で、中期クリムゾン流のジャズ・ロックをやっている。あれれ、と思い4th「アンティル・エターニティ」、今度はEL&P風だ。最後に5th「エクセルシオール」。やはりキーボード・シンフォだが、オール・インストで、キャメル風の抒情性を持った曲調に変化している。
1枚毎に変えているのか、とも思ったが、これは毎回方向性を模索して、迷っているのだろう。引き出しが多い、と云う言い方も出来るが、珈琲からカツ丼まで何でも置いてある田舎の喫茶店、と云う気がしないでもない。
個性を見つけるのは大変だが、人間、何れは何かを選び取らないといけないよなぁ、でないと訳の分からない人間になるよ、と云う一例。400円にしては一つ利口になった。
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