音楽とは、「音を楽しむ」と書く訳だから、なるべく良い音で聴きたくなる。オーディオ機器や再生装置に投資して、ハードウェアの面から補強する人もいれば、最新のリマスター盤や高性能規格CD等、ソフトウェア的に攻めていく人もいて、この辺は好きずきだろう。だが、この「リマスター盤」と云う奴、本当にアーティストが意図していた「音」なのだろうか。ジャズのマイルス・デイヴィスの「ビッチェズ・ブリュー」は完璧版のボックス・セットが出たが、このアルバム、当時のプログレとかと一緒で、多重録音で様々な素材を重ねあわせて作られている。このボックスは音質向上のため、当時のテープ素材をベースにしてもう一度オリジナルに似せてマスターを「再構築」。当然、音感も違うし、五月蝿く云うとコンマ数秒のタイミングも異なっている。これと同じリマスタリングをしているのが現在のソニー盤のEL&P。タイミングどころか曲順すら異なっている。どうしても当時の音を聞きたければ、CDは捨ててアナログを買いなさいと云うことか。いっその事、音質は気にしないから、当時の音のまんまのマスター盤とデジタル・リマスタリング盤と両方出して下さいな。両方買うから。
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