73年作。CBSソニーに在籍中のソフト・マシーンの諸作、及びメンバーのソロ作が13年リマスタリング、BlueSpec-CD2のフォーマットで再発された。まずは喜ばしい。数年前だったら、カンタベリー系の日本盤なんて鼻も引っ掛けて貰えなかったのに^_^;。と言う訳で、ヒュー・ホッパー(b,Synth他)初ソロ作である。当時のマシーンの音楽性と全く異なる、ジョージ・オーウェルの小説をベースとしたコンセプト・アルバム。テープ・ループを多用したミニマル・ミュージックで、その手のは普通一人で作りました、てのが多いのだが、それにジョン・マーシャル(ds)、ロル・コックスヒル(Sax)等の友人メンバーの生音、勿論ホッパーのファズ・ベースも絡んで来る不思議異世界空間。現在だったら「アンビエント」の一言で済んでしまいそうだが、10年後位だとまた評価が変わって来るかも知れない。次作の『ホッパーズ・チューニティ・ボックス』はジャズ・ロックであり、再びこの路線に戻って来るのは90年代の『ジャズループス』となる。ホッパーの音楽性の「振り幅」の広さに、愕然とすべき作品。
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