カンタベリー・ミュージックの伝説的ベーシスト、故ヒュー・ホッパーの遺作。
ソフト・マシーンのローディだったのが2NDから加入し、バンドに前衛性とジャズのイディオムを持ち込み、脱退後はソロとして、ベテラン、若手を問わず、フリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ロック、テクノ、フュージョン、ポエトリー・リーディング、日本の謡(うたい)、ありとあらゆるジャンルと他流試合をこなし、特徴的なベース・ラインで個性を発揮した。関わったバンドやユニットの数は、40~ 50位あるので、それだけで1冊の本になってしまう。亡くなった年も、ソフト・マシーン・レガシーとBONEの2つで活躍していた。突然の逝去は、数年前に身罷った盟友、エルトン・ディーンにでも呼ばれてしまったのだろうか。
このアルバムも晩年若手と組んでいたバンド、BONEのライブを、ヒューの未亡人に印税を全額渡すため、個人名義で発表したらしい。その奥さん、正式に結婚したのは亡くなる数日前だと云う。一体、どんな私生活を送った人だったのだろう。我々は彼の音楽の事はよく知っているが、彼の人生の事は何も知らない。
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