16年作。ビリー・シャーウッドのこれまでのソロは、本人名義が音響派入ったアンビエント・プログレ+歌物、ハウス・バンドのサーカはトニー・ケイ(Key,Org)を擁したハード・プログレ・・とまぁ大雑把に言えば切り分けが為されていたのだが、ソロ名義の前作『ザ・シチズン』では信じられない位大量のゲストを呼んでのハード・プログレ・アルバム(一応タロット関連のコンセプト・アルバム)を製作。イエスへの正社員登用おめでとうパーティー!みたいなノリだとか、サーカはそうすると今後のアドバンテージはトニーの在籍だけ?だとか、前回結構嫌味を書いたが、がらりと路線変更して来ましたサーカの新譜。長尺物の全4曲、メロディアスかつテクニカルな堂々たるシンフォニック・プログ・アルバム。何だ、やれば出来るじゃん、とか茶化しちゃあいけないが、近年稀に見る完成度の高いプログレッシブ・ロック作品である事は確か。最も、この路線変更も現イエスのファン層をしたたかに見据えての販売戦略、と見ればその敏腕プロデューサー振りには頭が下がるのだが・・・それでも傑作なので皆さん買って下さい。日本盤にはクリス・スクワイアへの追悼曲がボートラ収録。これまでの経緯を知っていると泣ける(;_;)。
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