70年作。クリス・マクレガー(p,Key)は、南アフリカ出身のジャズ・ミュージシャン。当時のアパルトヘイト政策に反対し、白人黒人混成のバンドを結成、本国を追われ、バンド・メンバーと一緒に欧州から英国へ。当時はジャズと政治が密接に関係していた時代、英国の先鋭ミュージシャンがこれに連動し、カーラ・ブレイ、エルトン・ディーン、以前に取り上げたゲイリー・ウインド、キース・ティペットらが共闘しセッションを繰り広げていた。名前を見ても判る様に後に様々なプログレッシブ・ロック系で活躍するメンバーが多数在籍しており、偏見を抱かずジャズ/ロックの壁も乗り越えていったのは、この頃の思想的な先鋭性がかなり関係していると考えられる。(あのトレヴァー・ラビンも、一時私淑していた事がある)これは英国に渡ってからのファースト。音楽はアフリカン・リズムを多用したビッグ・バンドによるエスニック・ジャズ、人によってはオーネット・コールマンを思い起こすかも知れない。現在のグリーン・フォレスト何かよりは、遥かに本式である。プログレの「来し方」を考える際の、重要作。
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