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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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タンジェリン・ドリーム「ワン・ナイト・イン・アフリカ」




13年作。定期的に律儀に発表される(株)タンジェリン・ドリームの新譜、今月また2枚のコンピレーションが発表された。1枚目はまずコレ。以前『ワン・ナイト・イン・スペース』と云う宇宙を舞台にした楽曲のコンピを出した事があったが、今回はそのアフリカ版、と言うかエスニック・ミュージック編。「エスニック」の括りが割りと強引だが、90年代から現在までのアルバムの中からそれっぽい曲を集めている。うち新曲が3曲、リミックス未発表曲が1曲。相変わらず、上手い商売しはりますなぁ。ジャケ写が何となく怖いね。出来はまぁ、いつも通りっす(^_^;)。
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ジョン・エサリッジ&リック・サンダース「セカンド・ヴィジョン」


80年作。今回、デヴイッド・アレン・トリオと一緒に、リマスター版が再発。元ソフト・マシーン在籍組、ジョン・エサリッジ(g)とリック・サンダース(Violin)によるジャズ・ロック・ユニットで、傑作との誉れも高い。メンバーは他にグリフォンのジョナサン・デイヴィー(b)、デイブ・ブリトゥ(Key,p)、ミッキー・パーカー(ds)等、テクニカル系プログ界隈の人達。ソフト・マシーン時代のカール・ジェンキンスの意向を反映した、ミニマル系の緊張感を持続させた演奏と違い、もう少しリラックスした、幅広い楽曲が演奏されている。アンビエント、ディキシーランド・ジャズ、クラシカル等曲によって表情をコロコロ変えるのが楽しく、且つ全ての曲がテクニカルさをひけらさかないので、聴いていて好感が持てる。前年に勤務していた(株)ソフト・マシーンが倒産してしまったので、仲の良い同士でとりあえず有限会社作っときますか、みたいなノリだが、成果は意外に大きかった。カンタベリー好きは必聴盤。

ニュー・トロルス・UT「DO UT DES」



13年作。こちらはニュー・トロルス・UTによるスタジオ最新作。あぁ、ややこしい(*_*)。バンド名からすると、70年代の傑作アルバム『UT』のメンバーのバンド、と誤解されがち。当時のメンバーもいるにはいるが、完全に同じではなく、ニール・ショーン・バンドにいた新人が大半を占める、西新宿雑居ビル状態のバンド。と云うか、他の「ニュー・トロルス」関連バンドとは音楽性が異なり、プログレ色は殆ど無く、完全にイタリアン・ポップスの歌モノバンドである。90年代に、イタリアのサッカーのワールドカップでテーマ曲を演奏したメンバーが中心なので、むしろワールド・ミュージックのファンの方に人気があるかも知れない。偏見なしに聴けば、『パガニーニ』『フェルメールの光』等絵画やクラシックにインスピレーションを得た辺りはなかなか名曲であり、一時間一気に聴き通せる。日本盤も発売。

ニュー・イングランド「ウォーキン・ワイルド」




81年作。リマスター再発の3rdで現在の所、最後のスタジオ作。プロデュースがトッド・ラングレンに代わり、若干前2作とは感触が異なる。基本ハード・プログレなのだが、やや当時を反映したニュー・ウエイブ、ニッチ・ポップ系の楽曲が多くなり、ファンの評価も一番低い。スルメ系のアルバムだよ、と無理矢理褒める事も出来るが、路線変更が裏めった、てな所が一番妥当な感想だろう。3枚目辺りで毛色の変わったアルバムを出し、従来のファンも離れて解散、てのがハード・プログレ系にありがちなパターンだが、このバンドもそれを踏襲してしまい、これがラスト・アルバムとなった。その後メンバーはグラハム・ボネットズ・アルカトラズやキッス関連バンドに合流。現在は若手のプロデュース業をメインにしながら03年に再結成、ライブ活動を時々やって健在。日本で言うと四人囃子辺りかね?

ニュー・イングランド「果てしなき冒険」



80年作。アメリカン・ハード・プログレの雄、ニュー・イングランドの2ndと3rdがリマスター版で再発。こちらは2nd。過去に国内で紙ジャケが発売されたが、今回は音圧が高く、より細かな音が拾える様になっている。プロデュースは1st『失われし魂』と同じく、ジャーニー、エイジアで有名なマイク・ストーン。両バンドのファンなら買っても損は無いかと。彼らのサウンドは現在だと「メロディック・ロック」と呼ばれるものであり、プログレ風味は振り掛け程度で基本は泣きメロのハード・ロックだが、そのブレンドが絶妙であり、微妙にマイナー感の有るのが日本人好みなのだろう。このアルバムも1St程のキラー・チューンが無いのが弱いが、ハード・プログレ系に良くある「長尺物で構成を誤魔化す」事をしておらず、あくまでラジオ・オリエンテッドな楽曲ばかりなのが逆に好感が持てる。日本盤のタイトル、当時から微妙にダサいと思うのだが・・・(^_^;)。

ソフトウェア「シートゥル 2002ライブ」


02年作。ブートレグです。ソフト・ワークスは一時ソフトウェア名義で活動しており、これは02年「プログマン・コメース・ミュージック・フェスティバル」での珍しいライブ盤、オーディエンス録音。メンバーはスタジオ盤と同じくアラン・ホールズワース(g)、故エルトン・ディーン(sax)、故ヒュー・ホッパー(b)、ジョン・マーシャル(ds)。現在名のソフト・マシーン・レガシーには最早ジョン・マーシャルしか残っておらず、時の流れの速さを感じる(;_;)。後にスタジオ盤に収録される『セブン・フォーマリー』『ベイカーズ・トリエイト』やマシーン時代の名曲『Kリックス』『フェイスリフト』が演奏されており、未だアンサンブルがぎこちない面もあるが、ホッパー云う所の「コンテンポラリー・ジャズ・ロック」のオールスター・バンドとしては成功している。相変わらずホールズワースは周りを見ずに自分だけの世界をプレイ。この頃のライブ盤、是非正規盤でも出して欲しいものです。

ニュー・トロルス「コンチェルト・グロッソ~ザ・セブン・シーズンズ」


07年作。「3」の発売に併せ、イタリア本国でもリマスター再発。従来盤はこちらが「3」だったが、「ルイス・バカロフの参加していないコンチェルト・グロッソは正規シリーズでは無い」と云うバンド側からの見解が発表され、今回から目出度く(?)番外編と相成った。それでもバンド名はこちらが「ニュー・トロルス」。もう何がなんだか・・・(*_*)。1、2に比べるとコンパクトな歌モノが多く、イタリアン・プログ独特のカンツォーネをルーツに持つ歌唱法での後半の盛り上げ方は、シリーズ随一かも。オーケストラが主役でない所が旧メンバーの間で違和感があったのかもね。インスト好きよりもイ・プー等のイタリアン・カンタトゥーレ(歌モノ)好きは必聴盤。

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