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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ヴァンゲリス「テーマ」


前項③の、映画音楽家としての代表作を集めたベストが、これ。「ブレードランナー」「炎のランナー」「南極物語」等の、美味しい所は全て入っている。ヴァンゲリスの最初のサントラは「動物の黙示録」だが、この頃からサントラ仕事でも作品としての一貫性を求めて、アルバムとして出さない作品も多かった。旧作を再利用したため、「ブレードランナー」がなかなか出なかったのも有名な話。ロック・ミュージシャンが映画音楽を担当するのは、70年代は色物的な扱いが多かったが、80年代以降は機材の進歩により、シンセでオーケストラルな効果も出せるようになったのが、メジャー化の要因として大きい。タンジェリン・ドリームやトレヴァー・ラビンは、かなり器用に、どんな映画でも曲を付けるが、ヴァンゲリスはあくまでどのサントラでも「ヴァンゲリス節」が聴けるのがポイント。この辺は個性の差かな。
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ヴァンゲリス「ベスト・オブ」


ヴァンゲリスのベストは複数出ているが、①アフロディーテス・チャイルド時代②「反射率」などソロの初期プログレ時代③「コスモス」「炎のランナー」などの、映画音楽家時代④併行して、ニューエイジ系音楽家時代⑤現在のアコースティックな現代音楽家時代、と、時期によって多岐に渡っているので、なかなか全貌が捉えにくい。「オデッセイ」と云う公式ベストもあるのだが、②~⑤の代表曲を1枚に纏めているので、せせこましい。そこで②の、プログレ的に美味しい所だけを纏めたものが、これ。初期ソロの代表作だけで構成してあるので、聴きやすく、これと「ジョン・アンダーソン&ヴァンゲリス」のベストでもあれば、プログレ好きは他に買わなくて済むんじゃないかな。好盤。

タンジェリン・ドリーム「シーフ」


祝・DVD化。映画「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」がようやくDVD化された。マイケル・マン監督のデビュー作であり、内容はスタイリッシュな金庫破りの犯罪物なのだが、同時にタンジェリン・ドリームのサントラ2作目でもある。これが傑作。前作「恐怖の報酬」が、どちらかと言うとシンセを多用した背景音楽に徹しているのに比べ、こちらはかなりメリハリのはっきりした、アルバムとして聴いても面白い出来になっている。これと同じマイケル・マン監督の「ザ・キープ」の成功を受けて、80年代のタンジェリン・ドリームは売れっ子映画音楽家としての顔も持ち、「レジェンド」「炎の少女チャーリー」など、続々とハリウッドの大作を手掛けていくこととなる、云わば出世作。「30周年記念盤」も先日発売されたが、リミックスだけでなく曲の入れ替えもあり、通常版と両方買わないと、サントラ完全版にならないと云う代物。あまりお行儀の良くない商売である。(^_^;)

相対性理論「シンクロニシティーン」



現代の日本のポップ・ソングの中に、プログレの影が見え隠れするのも、そう珍しいことではない。別にタイガースがエピタフやってるとか、ミスチルの「深海」がどプログレ・アルバムだとか、小室哲哉の曲の幾つかが殆どEL&Pだとか、そう昔話を出さなくとも、結果的にプログレっぽい感触の音楽になることもある。この相対性理論は、やくしまるえつこの実験ユニットで、1枚1枚表情が違うが、特にこの「シンクロニシティーン」は、ブラフォード&レヴィン張りの変速リズム・セクションに、カンタベリー的な独特のユーモアのある歌詞が絡む、言いようのない傑作。「シフォン主義」「ハイファイ新書」他のアルバムも、毛色は違うが、面白い。お薦め。

世界のプログレの車窓から


先日、某中古ショップで「新品プログレCDバーゲン・1枚480円」のフェアをやっていたので、一挙に20枚ほど購入して来た。当然、売れなかったストック品なので、名前も知らないマイナー・バンドばっか。購入基準は完全にジャケ買いの、大人買いである。ネットでバンド名を検索して見ると、やはり英米圏のバンドは殆ど無く、スペイン、ロシア、リトアニア、ポーランド、ブルガリア、モンゴル・・・・と、プログレ新興国ばっか。改めて、プログレの生息地が全世界にわたっているのに気付く。60年代にイギリスで蒔かれた種が、「風に吹かれて」、地球の裏側まで根付いて行く・・考えて見ると、凄いことだとは思いませんか。内容はこれから聴いて見るが、如何にして現地の音楽と混ざり合って、進化しているか。それを想像すると、今から楽しみではある。

プログレとフィギュア


映画「ロックンロール・スウィンドル」で、セックス・ピストルズのフィギュアが出てきたが、あれ、欲しいと思った人、結構いるんじゃないかな。ロック関係のフィギュアてのは、意外と少ないもので、以前に見たことあるのはキッス、エアロスミス、イエロー・サブマリン仕様のビートルズ、その位だろうか。プログレ系で出たことのあるものと云えば、ピンク・フロイド「ザ・ウォール」映画版の、キャラクター・フィギュア。これ、買った人、どれくらいいるんだろう。非常に気持ち悪い。「蛆虫殿下」なんて、飾っといたら夜中に動き出しそうで、怖いじゃないか。どうせならフロイドのメンバー、出してくれないかなぁ。ギルモアさんなんか若い時のファッション・モデル・バージョンと、「鬱」の頃のゴルバチョフ・バージョンで、2種類出せて美味しい商売が出来るぞ。アニメ「けいおん!」のメンバーなんて、上手く改造すればEL&P作れそうだしなぁ。求む魔改造。

マドレデウス「アンソロジー」


ポルトガルの歌姫、テレーザ・サルゲイロを擁するマドレデウス。アディエマスとかと同じく、癒し系のヒーリング・ミュージックに分類されるかもしれないが、サウダーデ等民族音楽の要素を取り入れたロック・バンドと考えればこれもプログレ。イタリアのプログレがミラノやローマを感じさせるように、これも遙か彼方のリスボンやポルトを感じさせる。音楽は最も手軽な海外旅行とも言える。日本でもヒットした「海と旋律」「春のつばめ」辺りが、ベストか?

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プログレは楽しい。プログレは、音楽ジャンルではなく、新たな人生の思考法だ(=^・・^=)

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