03年作、CD3枚組。一応こんなんでも正規盤なのである。
ハウス・ミュージック、クラブ・ミュージック全盛の頃、元ネタとしてプログレを使う「リミックス」集が何枚か出た。例えば、スティーブ・ハウの息子、ヴァージルが担当したCD「イエス・リミックス」、フロイドは流石に公式盤は出てないが、ブートレグで「全作品リミックス+a」と云う大変な労作が出ている。そしてEL&Pがコレ。EL&Pの旧曲を、テクノ、アンビエント、チルアウト系にリミックスした物で、1枚目なんか全部「庶民のファンファーレ」である。当然、この手のアルバムはプログレ・ファンからもクラブ・ミュージック・ファンからも敬遠され、童話の蝙蝠扱い、売上も悲惨な事となるのが世の常。このアルバムも知名度からしてゼロに等しいのだが、一番脱力するのはエマーソンがこの音楽をべた褒めな事。「僕らの音楽を若い世代にも聞いて欲しいね!」とかライナーで吐かしておるが、思えばこの頃からエマーソンの音楽は世間と「ズレて」来ておったのだなぁ。このズレは現在、キース・エマーソン・バンドとして最新機材を使う事により、解消されて来つつある。何か間違っていた事が正しかった時期の、EL&P最大の黒歴史。
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