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残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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EL&P「リ・ワークス」


03年作、CD3枚組。一応こんなんでも正規盤なのである。
ハウス・ミュージック、クラブ・ミュージック全盛の頃、元ネタとしてプログレを使う「リミックス」集が何枚か出た。例えば、スティーブ・ハウの息子、ヴァージルが担当したCD「イエス・リミックス」、フロイドは流石に公式盤は出てないが、ブートレグで「全作品リミックス+a」と云う大変な労作が出ている。そしてEL&Pがコレ。EL&Pの旧曲を、テクノ、アンビエント、チルアウト系にリミックスした物で、1枚目なんか全部「庶民のファンファーレ」である。当然、この手のアルバムはプログレ・ファンからもクラブ・ミュージック・ファンからも敬遠され、童話の蝙蝠扱い、売上も悲惨な事となるのが世の常。このアルバムも知名度からしてゼロに等しいのだが、一番脱力するのはエマーソンがこの音楽をべた褒めな事。「僕らの音楽を若い世代にも聞いて欲しいね!」とかライナーで吐かしておるが、思えばこの頃からエマーソンの音楽は世間と「ズレて」来ておったのだなぁ。このズレは現在、キース・エマーソン・バンドとして最新機材を使う事により、解消されて来つつある。何か間違っていた事が正しかった時期の、EL&P最大の黒歴史。
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キース・エマーソン「オフ・ザ・シェルフ」


06年、エマーソンのソロ・アルバム第5作。米キャッスルからの発売で、EL&P時代を含む未発表曲集。但し、最初からのコンセプトがそうなので、リマスターもしっかりされており、収録順もバラエティに富んでおり、近年のエマーソンのアルバムでは一番楽しめるとの噂も。「ボレロ」「展覧会の絵」「アメリカ」などのデモ・バージョン、別テイクが聴ける。この後同キャッスルから、キャリアを一括した2枚組アンソロジー「ハマー・イット・アウト」、前述の「アット・ムーヴィーズ」を発表、ソロ・キャリアを総括し、以降は08年に結成するボーイズ・クラブ、キース・エマーソン・バンドまで沈黙を保つ事となる。

キース・エマーソン他「ゴジラ ファイナル・ウォーズ」


04年、エマーソンのサントラ7作目。恐らく「幻魔大戦」と同じく、脚本若しくはシノプシスのみで作曲したと見られ、エマーソンは伊福部昭のメイン・テーマを含む短めの10数曲の提供、他にも森野宣彦、矢野大介が劇伴を担当している。現在までの所、エマーソン最後のサントラ仕事。「怪獣大戦争マーチ」のプログレ・バージョンは格好良い。エマーソンのBGMだけ欲しい人は「アット・ムーヴィーズ」に全曲入り。但し、未発表曲が他にあるみたいなので、完全版を出して欲しいね。特撮系は恵まれてるから、いずれ出るかな?

キース・エマーソン「エマーソン・プレイズ・エマーソン」


02年、エマーソンのソロ・アルバム第4作。大手EMIからの発売で、初のソロ・ピアノ集。一部バンド型式の「サマータイム」や、サントラからの流用テイク有り。エマーソン14歳の初録音、やら、オスカー・ピーターソンとの共演もあり、ややコンピレーション・アルバムとしての雰囲気もある。ファンの間でも評価が高いが、全曲新録音のソロ・ピアノ集だったらもっと良かったのではないか。ドビュッシー、ブギウギ、ビル・エヴァンスが1枚で共存しているアルバムも珍しい。だけど、よく考えたら、それがEL&Pの初期コンセプトだったんだよなぁ。

キース・エマーソン「チェンジング・ステイツ」


95年、エマーソンのソロ・アルバム第3弾。何故か当時再結成EL&Pが所属するヴィクトリー・レーベルではなく、AMPから発表なのを訝しく思ったが、内容で納得。スタジオ盤なのに音質劣悪、これ、マーク・ボニーラらと作ったデモ・テープ集なのではないか。時期的には、EL&Pが再結成する少し前辺りか?「ロミオとジュリエット」「デモンズ3」等のデモ・テイク、企画物と思しき「トリロジー」のオーケストラ・バージョンなんかが収録されている。とっくに廃盤だが、探して買うまでもないと思うよ。

キース・エマーソン他「デモンズ3」


91年、エマーソンのサントラ6作目・・・の筈なのだが、ちょっと説明が必要なアルバム。まず、初回のサントラは、エマーソン作曲のBGMの他、ゴブリン(メンバー不明。ベースのファビオ・ピニャッテリしか、時系列的にはオリジナル・メンバーはいない筈だが・・・)のBGM、他劇中で使われたフィリップ・グラス等の曲も収録、つまり「デモンズ1/2」と同じく、コンピレーション盤だった。ところが現行CDはエマーソン単独表記、にも関わらずゴブリンのBGMだけは入っている。しかもエマーソン版と曲名が一緒。これは何かい、コンペで両方に発注してみたが、出来が良いので両方使っちゃいました、て事かい?確かにどっちも割りと良い曲が揃っている。日本盤CDも、編集を違えて過去に2回発売。しかしエマーソンの曲が目当てなら、現行の伊シネヴォックス盤が一番曲が入っている。因みにタイトルがアレだが、エマーソンが音楽を担当したホラー映画では、本編が一番出来が良いかも。

キース・エマーソン「マーダロック」


85年、エマーソンのサントラ第5作目。映画の方は一言で言うと「フラッシュダンス+13金」。そのため、音楽も打ち込み式の歌ものディスコ・ミュージック、ダンス・ミュージックが大半を占め、エマーソンのソロの中ではプログレ・ファンは一番つまらない作品かも。これこそ、副業で実際にアメリカ向けクラブ・ミュージックを連作していた、クラウディオ・シモネッティにやらせるべきだったのでは。唯一「プレリュード・トゥ・キャンディス」のみ抒情的な名曲。現行CDは未収録曲を含めた4曲のボーナス・トラック入り。

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