16年発表。マッシモ・モランテ(g)在籍の本家「ゴブリン」、14年米テキサスでの2枚組・フルライブ盤。フルライブとしては先月の「ゴブリン・リバース」版を含めて3組目。ややこしいのは、「ゴブリン・リバース」組のファビオ・ピニャッテリ(b)、アゴスティーノ・マランゴロ(ds)もこの「ゴブリン」に在籍中な事。どうなっとんねんこれ?喧嘩別れをして二つのバンドに分裂した訳ではないらしい。CDの最終ミックスもピニャッテリが担当、何か関係も良好みたいだし、ピニャッテリ、マランゴロは両方のバンドに在籍しながら同じゴブリンの曲を演奏している事になる。いつになっても複雑怪奇なイタリアン・プログ界。人間関係の方が遥かにミステリアスである。さて、演奏内容の方はフュージョン寄りのリバース組と違い、本家らしい極めてサントラ原曲に寄せた演奏。選曲も『サスペリア』『ゾンビ』等オーソドックスな選曲が為されている。このままだと先に分裂した『クラウディオ・シモネッティズ・ゴブリン』と併せ三つのバンドが世界の何処かでゴブリンの曲を演奏している事になる。良い時代と言えるのか、そうなのか?