残酷!音楽怪獣プログレ    忍者ブログ

残酷!音楽怪獣プログレ

しがないプログレ好きで、よく中古盤を漁っています。ときどきライブなんぞにも行っておりやす。

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ソフト・マシーン「ミドル・アース・マスターズ」


67~68年作。最初期マシーンのトリオのライブ版は、ヴォイスプリント社から数枚出ているが、海外でも「考古学」と揶揄される位、音質劣悪。唯一作品として聴けるレベルなのが、「血の滲むような」音質補正をした、このキュニフォーム・レーベルの1枚。3箇所での公演の音源を編集して、きちんと作品として聴けるものにしている。内容は、初期フロイドの演奏にも似た、ジャジーでサイケデリックな音楽性を持ったものになっている。こうやって一緒にツアーを回っていても、エアーズの興味はデカダンで韜晦的な歌詞世界、ラトリッジの興味はファズを効かせたオルガンのジミヘン的な即興演奏、ワイアットの興味はユーモアを交えた社会的なメッセージ、とバラバラな方向に向いている訳で、このユニットが短期崩壊するのも無理がない。この後、エアーズ脱退、ヒュー・ホッパー加盟により、バンドはフリー・ジャズのイディオムを手に入れ、更に錯綜して行く事となる。
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ソフト・マシーン「ソフト・マシーン・ファースト」


68年作。言わずと知れたカンタベリー・ロックの始祖であり、サイケデリック・ロックの古典的傑作。メンバーはロバート・ワイアット(ds,Vo)、ケヴィン・エアーズ(b)、マイク・ラトリッジ(key,org)。この前にデヴィッド・アレン(g)もいた訳で、何れもその後一家言を為す、性格も音楽性もバラバラな人達。よくこの面子でツアーとか出来たもんである。3分置きに何か喧嘩になりそう。因みにツアーには後にポリスに入る、アンディ・サマーズ(g)も同行。ローディをしていたのが、ヒュー・ホッパー(b,次作より正規メンバー)。内容も前衛かつ詩的、ポップでありながらテクニカルでもあると云う、まるで3人の映画監督に勝手に映画を撮らせていて、繋げてみたらカチッとストーリーになっていたかの様な印象を受ける。クリムゾンの1STと同様、これもかなりの奇跡ではなかろうか。英国的な歪んだユーモア溢れる歌詞も面白く、この前のアレン入りのデモ盤「Jet Propelled」とこの1枚は、是非対訳付きで聴く事をお勧めする。

ジョン・コルトレーン「アセンション」


65年作。プログレッシブ・ロックを誕生せしめた音楽的潮流の一つには、やはりジャンル外だが60年代のフリー・ジャズの影響も大きい。社会的な体制に擬えたコード進行や音楽理論に囚われず、心のままに演奏するフリーダム・ミュージック。オーネット・コールマンなんかは前後のジャズ史を体感的に知らないと、イマイチ凄さが解らない所があるが、プログ・ファン的にはコルトレーンの晩年期の諸作は非常に聴きやすいと思う。コンセプト・アルバムの『至上の愛』、エスニック・プログの『クルセ・ママ』、超絶演奏バトルの『クレッセント』、そして集団的即効演奏の本作『アセンション』。どれも方法論的には、プログレッシブ・ファンならお馴染みのものばかりである。この後数年のファラオ・サンダース、アルバート・アイラーの諸作等は、全部コンセプト・アルバムじゃねぇかって気もするのだが、余りジャズ方面に話が寄っても何なので割愛。

ヴァニラ・ファッジ「キープ・ミー・ハンギング・オン」


67年作。一方で、アメリカ西海岸のフラワー・ムーブメントを背景に、スペイシーでドラッギーで重く長く暗いロックが誕生した。プログレのもう一つの源流域、サイケデリック・ロックの登場である。一つの雄がこのヴァニラ・ファッジのファースト。全編『エリナ・リグビー』『シーズ・ノット・ゼア』等のカヴァー曲だが、全てが原曲を留めず、まるでビートルズの『アクロス・ザ・ユニバース』を悪酔いしながら聴いているかのよう。当時でも、こんなん草生やしながら聴いていたらバッド・トリップ確実なのではないか。賛否両論はかなりあったみたいだが、ヒット曲『ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン』の大仰なハッタリ性、『エリナ・リグビー』の曲の「伸ばし方」なんぞは、後のプログ系のアルバムに大きな影響を与えているかと思う。バンドは現在も継続中。ベックとも演ったカーマイン&アピスのコンビも健在。

ザ・ムーディー・ブルース「サテンの夜」


67年作。「フルオーケストラを配した、初のプログレッシブ・コンセプト・アルバム」と云う評価が一般的だが、むしろその辺の音的快感を求めて聴いたりすると、失望するだろう。或る男の一日の生活を綴る、と云うコンセプトは、フロイドの未発表組曲「マン・アンド・ジャーニー」、ジョン・G・ペリーやマイク・ラザフォードのソロ等、言っちゃあなんだがその後佃煮にする程出て来るが、このアルバム自体、ある程度外観が出来てから、レコード会社の意向で「或る男の一日」と云うコンセプト・アルバムにした節が見受けられる。それでも名盤と言われているのは、ソフト・ロック的な楽曲の良さ、オーケストラの適材適所の使い方の巧さ、があるからだろう。むしろ国内でプログレとしてインパクトを与えたのは、メロトロンを前面に押し出した次作『童夢』。これも楽曲の良さが光る。ムーディーズは、どちらかと言うと、プログレ的なフックより、曲の良さで勝負するバンドなのだ。

ザ・ビートルズ「サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」


67年作。あけおめです。新春と云う事で、「プログレ、コンセプト・アルバムの始祖」、サージャント・ペパーズでございます。浅学な私に、簡単にくっちゃべれる程の内容ではない「古典」なのですが、改めて聴いて見て、例えば歌舞伎なんかで云う、後々の「所作」や「型」がぎゅうぎゅう詰めになっているのに気が付きました。むしろ楽曲や構成の展開などは、『ホワイト・アルバム』の曲の並べ方や、『アビィ・ロード』ラストのロックンロール・メドレー、こちらの方が後のプログレに与えた影響は大きいのではないでしょうか。しばらく、「古典」を紹介して見たいと思います。

ロバート・マイルス「ドリームランド」


96年作。イタリアン・テクノの雄、ロバート・マイルスのデビュー作。当時は「アンビエントなリチャード・クレイダーマン」とか言われていたが、やはりシングル曲「チルドレン」のインパクトが凄い。ロマンティックなピアノ・ソロのバックにブレイク・ビートが絡み、徐々にクライマックスに向かい盛り上げて行く辺りは、誰が聴いても「名曲」の太鼓判を押せる出来。アルバムに入っている「フェーブル」も、これと同じ構成でなかなか宜し。この後本人の音楽性自体は、クラシック出身者としての經歴を生かし、かなりオーガニックな方向に向かって行く。プログ・ファンには、これと次作「23am」が、やはりベストか。

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